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第一話:仮装姫 俺の学生としての朝は早い。授業がだいたい、一限目からあるのもそうだが、蒼貴、紫貴のメンテもしなければならないからだ。不本意ではあるが、杉原からそれに関する知識を学んで、それから日課にしている。工業大学所属の俺としては精密機械をいじれるのは授業の助けになっており、非常にプラスに働いている。二人を整備できて成績アップになるのだから苦にはならない。 蒼貴と紫貴とああだこうだ雑談しながらそれを終えたら、大学に行くべく、スマートフォンやら財布やらの常備品や道具を詰めた通学用のカバンを持って、二人に見送られながら部屋を出る。ここからは大学生 尾上辰巳として活動するのだ。 家の外へと出たら、大学へと向かう。通学には電車を使っている。その気になれば時間はかかるものの、自転車でも通えるのだが、電車の方が帰りの飲み会などの時に都合がいいからだ。 「今週の週刊バトルロンドを見たか?」 「ああ。また双姫主の尊がランカーをぶっ倒したらしいぜ? これだけの事をやっていて何で素性を隠すんだろうな?」 「さぁ……? 闇バトルをぶっ潰したこともあるとか、バーグラーに結構、因縁つけられているとか黒い噂もあるからじゃね?」 「ほんと、すげぇよな。憧れるぜ……」 大学へ行くための電車の中で何やら中二病でも患ってそうな残念な二人組が俺の噂をしている。誠に申し訳ないが、実際には学生生活でそれがバレると人間関係上、非常に好ましくない事になるからだし、ランカーとかバーグラーに関しては倒す必要のあったり、止むを得なかったりする相手がたまたまそうだっただけだ。十中八九、お前らのヒーロー像を台無しにするだろう。 内心、軽い謝罪やら、憧れの否定やらが混ぜこぜになった気持ちでそいつらをスルーして大学のある駅を降りる。駅を降りて、徒歩十分の所に俺の大学がある。少しは名の知れた工業大学で中堅に位置するまぁまぁな大学だ。ちなみに男性八割、女性二割のむさ苦しい環境にある。工業大学にはよくある事である。 そうそう、『尾上辰巳』と『尊』の時は髪型のセットを変えたり、伊達眼鏡の有無でかなりの差をつけている。俺を知るヤツでもない限りはバレる事はない。 十分間、通学路を歩いていく。今回も例によって気づかれる事なく、通り過ぎることができた。 「尾上~。授業行こうぜ~」 振り向くとチャラ男のテンプレの様なファッションの男がいた。 樺符 守。それが彼の名前だ。高校時代からの友人で大学でもよく同じ授業を取るため、大学に行くと高い確率で会える奴だ。 「ああ。確か、今日の一限は埴場先生の心理学だったな」 「メンドくせぇんだよな。あの先生の神姫の心理とかの話はよ。神姫なんてキモいだけじゃん。オタクの最新アイテムってだけだしさ」 「そう言うな。授業に出れば単位はもらえる」 「ははっ。それもそうだ。今日も寝てそうだぜ」 この様に神姫はオタクのフィギュアと同列と認識している。神姫には心はあるが、彼の場合は実際の女性と遊ぶことの方が遥かに楽しいし、神姫など所詮はロボットだし、フィギュアの延長線としか思っていない。それが真っ当だと思っているのである。 勘違いしないでほしいが、俺は神姫マスターになっても彼を嫌ってはいない。普段の守は根は優しいし、面倒見はいい。サッカー部ではエースストライカーを任されるほど、しっかり努力をしている。普通の人間としては恰好を除けば極めてまともなのだ。そして、彼の神姫への認識は別に大衆的な観点から言えば、間違っていないのだ。 神姫は確かにオタクが多くもっており、アレな衣装を着せて好き勝手やっている様は野郎がお人形遊びしている様にしか見えないという偏見は少なからずある。そもそも俺もその一人だったのは蒼貴と出会ったばかりの時の通りだ。 彼女と出会う前は工業大学で剣道をしながら、守を初めとする友人達と遊ぶ神姫とは無縁の生活をしていたのである。 「そういや最近、お前は忙しいのか? いや、誘っても頻繁には来なくなったからよ」 「バイトが忙しくなったのと、友達が増えてスケジュールが埋まるからだな。お前も結構、増えたんじゃないか? もう俺達も大学二年の後半だ」 「確かにそうだな。すまねぇな」 「気にするな。プライベートは人それぞれさ」 蒼貴と会ってからは、こうして嘘もついている。大学生活と神姫生活の二重生活のためにな。 後は守と適当な雑談をしながら、教室へと入って席に付く。周りを見てみると神姫たちが見え隠れしているのがわかった。 デブがマリーセレス型と戯れていたり、生きていられるのかと不安になるほどガリガリでビン底の様な度の凄そうな眼鏡をかけた奴は他の人達に目もくれずにラプティアス型とボソボソと話をしていた。 「うっへぇ。相も変わらずってもんだなぁ……」 彼らは極端な例だが、こうした光景を見ると守が気味悪がるのもわからないでもない。こういう光景が珍しくないのが現状の神姫のイメージと思われても仕方のない事のなのかもしれない。城ヶ崎玲子や藤堂亮輔の様な金持ち美人や若い妻帯者が神姫をやっているというのが少しでも見られれば少しは守のイメージは変わるかもしれないが、この場でそういった類の事は……あまり期待できない。 何も返事をすることのできない俺はその言葉を無視して、筆箱やら、ノートを自分の前に出して準備をする。 「お前は本当に真面目だよな。この授業ってテストあるけど、受けていなくても取れるって先輩の話だろ?」 「だからといってやらないのもな。ものは考えようで楽しめるさ」 呆れ半分、感心半分な口調で俺のその行動を守は授業の事を言ってきた。その返事は表側はそう答えたが、本当は埴場先生の神姫を交えた心理学の授業はなかなか興味の持てる内容であり、蒼貴と紫貴に出会って以降、後期の授業で取ろうと決めていたのだ。 「変わってるなぁ。まぁ、いいや。俺は寝るぜ……」 「また、夜遅くまで起きていたのか。よくやるなぁ」 「大学の奴とSkipeでダベっていたら結構な時間になってな……」 「そうか。まぁ、ゆっくり休んどけ」 「おう……」 適当に納得した守はSkipeで寝なかった時間分を補うためにすぐに机に突っ伏して眠りに入った。俺は彼をそっとしておく事として、授業の開始するまでスマートフォンを使った情報収集をする。イリーガルマインド関連の噂、有名なオーナーの噂と色々と調べ物をする。 十分後、教壇に埴場玲太先生が自分の神姫であるクラリスと呼んでいるアルトアイネスと一緒に立った。 「やあ。こんにちは。これから授業を始めるよ。最近、イリーガルマインドの偽物が出回っているらしいから気を付けてね。そういう違法パーツに惹かれる心理というのはだね……」 「教授。必要な事は伝えたんだから授業」 「そうだね。では始めよう」 埴場先生は心理学的な興味から神姫を始めた人で、そこからはまり過ぎてFバトルと呼ばれるライドオンシステム形式のバトルロンドの大会において、F0クラスで上位ランカーになったことがある程の実力を持つほどになったらしい。 ただ、××××という青年がF0にやって来ると、彼は二十位からあっさり先生のランクまでたどり着き、すぐに先生を超えて、一位をかっさらってしまったとの事だ。 ××××は違法DLアプリ事件と謎の連続爆発事件を解決し、長きに渡り、F1チャンピオンだった竹姫葉月をも超えたトップランカーだ。最強の名を欲しいままにする彼はいったいどうしているかはその事件以降はわからない。だが、「お人よし」だの「どんな神姫も認めるマスター」だの様々な言葉で多くの人に認められている彼の事だ。決して迷うことなく、正しいと思う道を行くだろう。 「……この様に相手の都合の悪い秘密を知ってしまうと、ギャップが生じてしまうんだ。簡単に言えばイメージが崩れたとか、こんなのは彼なんかじゃないとかそんな感じだね。あいどるなんかの知らない一面を見たときなんかにそれを感じたことはないかな? 他の人の神姫なんかでもいいかもしれないね」 今回は秘密、隠し事による気持ちの変化の授業であるらしい。皮肉にもそれは俺は大きく該当することになる。もし、守に自分が神姫を持っていることがバレれば、神姫を、そのマスターのイメージを嫌悪している彼はイメージとは違う俺を見て、拒否するかもしれない。 そうなれば、これまでの友情が壊れてしまうだろう。それどころか、噂が広まって大学での自分を見る目を皆は変えてしまうかもしれない。だからこそ、俺は神姫を持っていることを隠し通している。これまでの自分の繋がりを失わないために、な。 全く、何が『双姫主の尊』か。あるのは対戦で勝った事実だけで、大衆のイメージには無力だ。 「それを利用して悪さをする人もいる。脅迫ってヤツだね。そういうのは一度、応じてしまうとそうした人達はもっともっととやるのは映画なんかでもよくあるシチュエーションだ。チョコレートをあげたら今度はケーキをって具合にね」 問題はこういう所だ。必要に応じて選択していく必要があるだろう。当然、金銭やら物品を要求してくるならほっとくか、状況に応じてこちらもバラせない状況を作る。単純なバラす事だけをしたいというなら何かしらの勝負をして黙らせるだけで十分だろう。 もっとも、そういう事が無い様にわざわざ変装をしているのだからそんな状況に陥らないのが一番なのだが。 「さて、これで授業を終わりにしよう。来週は先週言った中間レポート提出があるから忘れないように頼むよ」 クラリスにたしなめられながらの埴場先生の授業が進むと、チャイムが鳴った。そうするとキリの良い所で埴場先生は授業を終わらせ、来週の連絡事項を伝えると教室から出て行く。 「ん……。辰巳、授業は?」 それと同時に周りの人達が雑談を始め、その多くの声で守が目を覚ました。 「もう終わった。来週はレポートらしいから忘れるなよ」 「先週の連絡のか……。わかった……。あ~、ねみぃ……」 「……俺は次の授業に行く。お前も遅刻しない様にな」 「結構、遠いとこの教室だったな。お互い、頑張ろうぜ」 「ああ。またな」 簡単に連絡事項を伝えると、お互い違う授業であるため、俺は守と別れて次の授業へと急ぐことにした。 次の授業はC言語のプログラミングだった。その辺りは蒼貴や紫貴のシステムチェックで覚えた知識が活かせるのでさほど、苦戦する授業ではなかった。 俺は授業以上の事はしなかったが、その手の変態の物となると神姫のオリジナルスキルプログラムを作ったり、他のロボットプログラムを作ったりと多種多様な専門的な話が行き交っていた。 武装神姫を初めとするロボット分野のシステムの幅の広さには内心、驚くものがある。オタクがなんだろうが、こうしてとんでもない技術をもっているのなら、問題はないはずなのだが、彼らは趣味がアレな方向に突っ走っている。そのため、他の人からはちょっと変な目で見られがちだ。バカと天才は紙一重とでもいうのだろうか。 授業が終わると昼休みに入る。俺は食堂で食事を取っていると、神姫関連の噂が飛び交っているのを耳にすることができた。それは狂乱の聖女やイリーガルマインドという実際にあった事例のある噂から、『異邦人(エトランゼ)』や『大魔法少女』といった通り名持ちの有名なオーナーの話まで非常に種類が豊富だ。 神姫オーナーになってみると毎日の様に聞ける訳の分からない単語も理解できるようになってきている。それだけ自分も武装神姫を知ることができているという事か。 食事が終わった後は後半の制作実習を神姫のメンテ技術を活かしてこなす。かなり基礎的なものであり、いつものメンテに比べれば楽な授業だった。 最後は部活だ。剣道部に所属をしていて、子供の頃から祖父の教育で様々な武術を習わされた経験の積み重ねから二年で指導する立場にあった。 「身体全体を使え。身を固くせず、柔らかく、円を描くようにだ」 俺は指導をしながら、後輩の連続攻撃を避ける、いなすと攻撃を見切った上での防御をしてみせる。 「そしてそれを闇雲にやるんじゃない。必中の気持ちでやれ」 後輩の攻撃は直線的であり、あまりフェイントもしてこないため、読みやすい。これでは勝てる試合も勝てない。 「わ、わかりました!」 今度は俺の隙を見計らうつもりか、闇雲に攻撃してこなくなった。いい傾向だ。 しばらく、狙いを定めるかの様に俺をにらみつけた後、面を仕掛けてきた。いい攻撃ではあるが……。 「胴! ……っと」 大振りのそれを素早い胴で切り抜け、一本を取ってみせる。一歩遅れて後輩の面も放たれたが、既に俺のいない場所の空を裂くだけだった。 「良い攻撃だったが、大振りだ。もう少し素振りをして、無駄なく触れるようにするといいだろう」 「はい!」 後輩のアドバイスをすると、彼は自分からそれを実践し始めた。これでこの後輩への指導のキリはいいと考え、別の後輩を捕まえるべく動こうとすると何やら二、三人が固まって議論しているのをみつけた。 「それにしても尾上先輩が神姫に指導をしたらどうなるかなぁ?」 「何かその神姫は化け物になりそうだよね。先輩、教え方上手いし、戦略ゲームを携帯ゲーム機でやってるのを見たことがあったけど、簡単にクリアしてたし」 「戦い方も超厳しいお爺ちゃんから、子供の頃から様々な武術を叩き込まれてて、わかっちゃってるからなぁ。マスターのスペックがそのまま、神姫に反映されたらすさまじいだろうさ」 「ああ。だから、この部活に多く来ているわけじゃないのに、あんなにすごく強いんだなぁ」 半ば本気、半ば冗談で俺が神姫に技を教えたらどうなるかが議題ならしい。 実際に持ったまでは現実になっているが、化け物にはなっているとは到底思えんのだがね。それに神姫で必要なのはパートナーとなる神姫との連携だ。それを幾千幾万通りと考えられる発想力があれば、特に武術やら才能やらがなくても、努力次第で違ってくるはずだ。どっかの雑誌じゃ、努力と友情と勝利という三つのキーワードを掲げているが、割とそんなものなのではないだろうか。 「おい。何話してんだ? 今は稽古中だぞ?」 「あっ!? すいません!!」 「先輩って神姫は知ってますか?」 「……周りで聞く程度にはな」 「それに先輩が戦い方を教えたらすごくなるんじゃないかって話していたんです。先輩、神姫をやってみませんか?」 「すまんが……時間がないから難しいだろうな。それより、稽古だ。ここで話をしている暇があるなら練習するぞ」 せっかくの誘いだが、俺は隠し、断る。それを了承することはない。尊の時もそうだ。こいつらでは尊が俺だと察してしまう。心苦しくはあるが、隠し通すしかなかった。 話題を稽古に無理やり切り替え、後輩達の指導をつづける事、一時間前後。剣道部の稽古が終わり、俺は帰路に付いた。 今日は一旦、家に帰って、蒼貴と紫貴を連れて、真那のバトルロンドの練習に付き合う事になっていた。少々早めに帰る必要があるだろう。あいつは遅れると色々とうるさい。 「ねぇ」 そんな中だった。駅に着く前に突然、肩を叩いて呼び止められる。その声の方を向くと女性がいた。彼女は……確か、弓道の竹櫛鉄子さんだった。 「何だ?」 「君が双姫主の尊君?」 「尊? 誰だか知らんが、人違いだ」 ポーカーフェイスな返事とは裏腹に竹櫛さんの言葉に俺は内心、驚愕した。変装をどうやって見破ったというのだろうか。 「そうなん? 君、『あのイベント』におったでしょ?」 「いや、いなかった」 「ああ、まどろっこしい奴だな。鉄子ちゃんよぉ。写メ見せてやんなよ」 突然、カバンからキツネ耳が特徴的な確か……レラカムイ型の神姫が出てきた。そいつは確か、コタマと遠野のイベントでは呼ばれていたのを聞いたことがある。 そして、彼女に促され、鉄子が携帯の画像を俺に見せてきた。 ……そこには俺がVRマシンで対戦をしている様子が写されていた。 動かぬ証拠だった。確かにこれだけしっかり撮れていれば、こうして偶然見つけたらわかってしまうだろう。ここまでの物を撮られているとは予想していなかった。いや、気づかれないと高をくくっていた自分の油断だったのかもしれない。 いずれにせよ。これ以上は言い逃れはできそうになかった。 「……場所を変えようか」 これ以上の正体バレを防ぐため、俺は彼女を別の場所……通学路から大きく外れた喫茶店へと誘う事にした。 それに対してコタマは少々不服そうだったが、二人は了承し、俺に付いて来てくれた。現状はこれでこの二人だけが知っていることになると考えられる。その後はこいつらとどう話を付けるかだ。 これは……面倒なことになった。 トップへ 次へ
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入手条件 性格 声優 機体解説 性能プラス補正アビリティ マイナス補正アビリティ ライドレシオMAX時の上昇能力 イベント EXカラー 専用レールアクション用GC装備所持者 入手条件 F3大会優勝後に届く挑戦メール「タケルからの挑戦状」を確認後、ゲームセンターに登場する 「タケル」に勝利するとアルトレーネと共にショップに追加される。試合内容は1on2のハンデ戦。 (上記挑戦者が出現し勝利していない場合はF2大会終了後、ゲームセンターから消える) 勝利していない場合、F2大会に優勝することでもショップに追加される。 性格 やや扱いづらい ボクっ子 自身の性能に自信を持つがゆえに、マスターには何かと不安を見せ色々と指南を繰り広げる 小生意気でちょっと世話焼きな神姫。 声優 水橋かおり 機体解説 名称:戦乙女型MMSアルトアイネス メーカー 素体:Dione Corporation 武装:Arms in Pocket 型番:DI/AIP-001X2 2038年に開催されたコンテスト「ぼくらの神姫」(一般から武装神姫のアイデアを募集、競うもの)受賞作を元に ディオーネコーポレーションとアームズ・イン・ポケット社が共同開発した「アルトレーネ」(DI/AIP-001X1)の姉妹機。 本機はスモールボディならではの敏捷さを利用したバトルスタイルが特徴で立体的な戦術を得意とする。 機体各所に配置された強化クリスタルアーマー内にはそれぞれ小型コンデンサを内蔵。副腕部、脚部などへ独立した パワー供給が可能となり大柄なアーマーにもかかわらず高い機動力を獲得している。また特徴的なスカートアーマーは 展開して格闘用武器、変形して高機動用ウイングへと転用できる多用途なユニットとなっており、優れた攻守のバランスを 実現している。加えて頭部にはアルトレーネとは別タイプのバイザーを装備、脆弱になりがちなフェイス部の防御力を高めている。 性能的には申し分ないが性格の面ではやや扱い難いところもあり、マスターを選ぶ神姫と言えるだろう。 性能 能力値 LP SP ATK DEF DEX SPD BST 適正 S C A B B B B プラス補正アビリティ 攻撃力+1,LP+1 マイナス補正アビリティ SP-1 ライドレシオMAX時の上昇能力 防御力,武器エネルギー回復速度,スピード イベント +ネタバレ 発生条件 イベント名 備考 初勝利後 ニヤニヤしてる? Love4:ゲーセン勝利後 フルオープン Love7:自宅 カノジョいないの? Love10:ゲーセン勝利後 気になるブログ Love11:ゲーセン勝利後 丁寧な返答 Love12:ゲーセン勝利後 初対面 Love15:ゲーセン勝利後 デートに誘え 「バトルに誘う」を選択した場合バトル有(ロッテンマイヤー 小山田愛佳)敗北でも進行するが、勝利すれば称号(禍福の証)入手 『デートに誘え』終了ゲーセン勝利後 ファーストデート Love18:ゲーセン勝利後 セカンドデート Love20:ゲーセン勝利後 最後のデート EXカラー A.蒼髪(デフォルト) +ネタバレ B.金髪 C.紫髪 専用レールアクション用GC装備所持者 植場怜太 陰陽熊
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「もうっ!いつまで隠れてんのよ!」 アタシの対戦相手のハウリン、たしか凛っていったっけ?正直、あのコには同情する。起動直後でバトル?ありえない。アタシなら絶対イヤ。 そもそもこのバトルの原因の、アイツが絡んでたあの娘。そりゃあ、原因はあっちかもしれないけど、よそ見して歩いてたアイツも悪いんだし。向こうも謝ってるんだからそれでいいのに、なんでまたこんな面倒な事にするのかしら? いっつもそうなのよ、アイツは!態度ばっかりでかくてイヤになっちゃう。 ……いや、悪いトコばっかりってワケでもないのよ?たまにだけど優しいコトもあるし……あ、今は関係ないわよね。 とにかく、そんなワケであのコには同情してるワケ。でも、それはそれ。バトルになった以上は恨みっこなしという事で、さっさと勝たせてもらうつもりだったんだけど。 初心者ってワリにはなかなかやるのよね、あのコ。攻撃はもらっちゃうし、さっきので決めるつもりだったのに逃げられちゃうし。 いい加減探すのにも飽きてきた時、ようやくあのコの姿を見つけた。 巨大な砲身、蓬莱を手に待ち構えていたみたい。まともに撃ったってどうせ当たらないのに、まだ懲りないみたいね。エネルギーを使いきっちゃうけど、次の一撃で、レインディアバスターで止めよ! 「蓬莱ッ!」 相手の砲撃。そんなの何度も当たるモンじゃない。軽く避けて終わり―― 「きゃっ!」 不意に背中に走る衝撃。たいしたことないけど何?撃たれた?今のは…… 「プチマスィーンズ……!やってくれるじゃない」 小型の半自動支援メカ、プチマスィーンズ。銃器を取り付けられた四機のビットが、いつの間にかアタシの周囲を取り囲んでいる。でもこんなの、モノの数じゃないわ!所詮はムダなあがき…… 「わっ!だからムダだって言ってんでしょ……わっ!きゃっ!」 あ~、うっとおしい!ムダだって言ってんのに、しつこく撃ち続けてくる。一発一発はたいしたコトないけど、耐久力に自信がないアタシとしてはこれ以上撃たれるのはかなりマズイ。 回避の為に一度大きく迂回。するとハウリンが背を向けてどこかへ走りだした。また逃げるつもり?冗談じゃないわ、これ以上の面倒はゴメンよ!早く帰って、今日買った服を着たいんだから! ビットの銃撃をくぐり抜けてハウリンを追い掛ける。どうせスピードなら、圧倒的にアタシのが上。逃げたってムダよ! 建物の隙間を縫って走るハウリンを追い掛け、ちょうど四方をビルに囲まれた空間に飛び込んだその時、アタシはハウリンの姿を見失ってしまった。そんなはずない、確かにこっちに逃げて来たし、すぐ近くにいるはずよ。一旦足を止めて周りを見渡す。と、辺りの柱に取り付けられた妙なモノに気が付いた。どこかで見覚えのあるその『何か』。そしてそれが『何か』を察知すると同時に、レインディアを急発進させる。直後に響く爆音と衝撃、ヤバい。 アタシは逃げ場を求めてレインディアを急加速させる。四方を囲まれてる以上、上に逃げるしかない。爆発に巻き込まれるのもマズイけど、このままじゃ生き埋めになっちゃう。 「くぅっ!」 急加速、急旋回、急上昇。さすがにキツイ。体の芯まで響く派手な爆音、もし気付くのが遅かったらと思うとゾっとする。 今のはヤバかった。取り付けられていた『何か』、蓬莱のマガジンだ。炸裂弾が満載のマガジンを爆弾の代わりにするなんて、こすっからい手使ってくれるわね。初心者でここまでやれたのはたいしたモノだけど、もう頭にきた。ここを脱出したら、すぐに終わりにしてあげる。 崩れていくビルの合間を抜け出ると、目の前には空が広がっていて。バーチャル空間ではあるけど、雲一つない青空が広がっていて。だけどその直後に、アタシの視界は塞がれた。雲一つない空に現れた影。 「はあああああああっ!!」 体に走る衝撃と、砕け散る機体。翼を失ったアタシは、真っ逆さまに落ちていくしかなかった。 目の前にあるのは、雲一つない空、そしてあのハウリン、凛だった。 「ふぅ、これで全部セットしました」 『よし。もう少し経ったら姿を見せるぞ』 「ほ、本当に誘いに乗ってくれますかね?罠だと気付かれたら、打つ手がありませんよ?」 隼人の言う通りの場所に蓬莱の残弾、即席の爆弾を仕掛け終えた私は、何度目かの同じ質問をしていました。だってなんというか、あまりにもこの作戦は…… 『単純でいいんだよ。あのツガル、あんまり気の長いヤツじゃないみたいだからな。あの性格じゃあ、もうこの戦いにも飽きてる頃だ。格下相手だし、多少無理をしてでも決着をつけにくるハズだよ』 「ハズ……?」 『はず』 隼人の作戦はこうです。まず、いくつかの建物に爆弾を仕掛けておく。そして相手の前に姿を見せ、指定の場所まで誘導。タイミングを見計らってそれを起爆。四方で同時に爆発が起これば、必然的に退路は上に限られる。それを私が迎撃。相手がどんなに素早くとも、どこに来るのかわかっていれば命中させられる、という事です。 しかし、この作戦は全て予測に基づいたものに過ぎません。全て仮定で語られている以上、決して成功率の高い作戦ではありません。ですが―― 『俺はお前を、俺の相棒を信じる。だからお前も、俺を信じろ。お前の相棒を。な?』 「隼人……はい、わかりました!」 私は信じました。隼人の作戦を、隼人の言葉を。だってそう、私達はパートナー、相棒なんですから。 そして彼女は、アルさんは見事にこちらの思惑に乗ってくれました。そうなればあとは私の役目。放ったのは『獣牙爆熱拳』。捉えたのは私の持つ、最強の必殺技。その一撃は彼女を機体もろともに打ち砕き、強烈に地表へと叩き付けました。 「がはっ……」 彼女の体は固いアスファルトに放射状の亀裂を刻み付けると、そのまま力を失い横たわりました。もとより機動性重視で、防御や耐久力は低いツガルタイプ。もう立ち上がることは出来ないようです。そして―― 『K.O!Winner,Howling,RIN!』 コンピュータが試合終了のコールを鳴らします。そしてそのコールは同時に、私達、私と隼人の初勝利を告げるものでもありました。 「勝っ……た?私が……?本当に……」 『ぃぃぃいよっしゃあああああああ!!勝ったーーーーーーー!!!』 聴覚センサーが割れる程の歓声をあげる隼人。びっくりしました。ただでさえ信じられないことで驚いているのに、お陰で喜ぶタイミングを失ってしまったじゃないですか。 「わ、わーい」 一応喜びを表現しようとしてみたのですが。なんかもうダメっぽいですね。 『なーんだよ凛!もっと全身で喜びを表現しろって!ほーら、バンザー……おふぁ!?』 「!?」 な、なんですか、今の奇声は? 『うるさい!騒ぎすぎ!凛ちゃんがびっくりしてるでしょー!?』 えーと、この声はたしか、舞、さん?こちらからでは姿が見えないので、あまり外で盛り上がってもらっても困るんですが。 『だからって殴るこたぁねーだろ!?』 『うるさい!うるさいからうるさいって言ったの!』 『なんだと!?お前のがよっぽどうるせぇよ!!』 ああ、なんだか子供みたいなケンカが始まってしまいました。こんな時私はどうしたらいいんでしょう。戦闘中は夢中だったので特に気にしませんでしたが、素の応対にはまだ戸惑いがあるんですから。 「あ、あの、お二人共とにかく落ち着いて……」 『うるさいって言った方がうるさいんだよ!』 『なによそれ!バカなんじゃないの!?』 『バカ!?バカって言ったか、このバカは!?』 『誰がバカよ!?』 ああ、ダメそうです。聞いてません。完全無視です。もう、泣いてもいいですか?私。 「……信じらんない」 喧騒の中、天を仰いでいた彼女が、アルさんが小さく呟きました。 「このアタシが……負けた?アンタみたいな初心者に?」 「……」 信じられない、のは私も同様です。勝利の実感等、未だに沸いて来ないのですから。 「おかしいでしょ?せいぜい笑えばいいわよ」 「いえ、そんな事ありません。私なんかが勝てたのは隼人の、マスターのお陰なんですから」 「あんたのマスター?ソイツだって初バトルだったんでしょ?それとも、それだけアタシが情けないって言いたいワケ?」 「違います!ただ私は……隼人を信じる事が出来たから。隼人が、信じてくれたから」 「……?」 私自身、事態を受け入れきることは出来ていません。ですが、私なりに精一杯、彼女に応えなければなりません。私とのバトルに、全力で挑んでくれた彼女に。 「隼人が言ってくれたんです。俺も信じる、だからお前も信じろって。私は、それに応えたかったんです」 「……ハッ、なによそれ?信じるだの信じろだの……マスターとの信頼ってワケ?会ったばっかのマスターがそんなに好きなワケ?」 自然と顔が綻ぶのが自分でもわかりました。その質問だけは迷わずに、そして心から答える事が出来ます。 「はい!大好きですよ。だから私はがんばれたんです」 「……………よく恥ずかし気もなくそんなコト言えるわね。はぁ、なんかもう、どーでもいいわ」 あれ?もしかして呆れられてますか?彼女、アルさんは溜め息まじりに起き上がると、背中を向けたまま言葉を続けました。 「アンタ、バトルは続けるんでしょーね?」 「もちろんです!もっと強くなって、いろんな方と戦ってみたいんです!」 「……ふん、せいぜいがんばりなさいよ。…………また、ね」 それだけ言い残すと、彼女はさっさとフィールドから離脱してしまいました。『また』、一人の神姫として、そしていずれ戦う相手として、認めてもらえたという事でしょうか。 「はい。ありがとう、ございました!」 私は見えなくなった彼女の背中に一礼。心からの感謝を贈りました。 さて、神姫での決着は着いた。これで解決すべき問題は、あと一つ。 「おい、なんか言う事は?」 俺は半ば放心状態の残った『問題』に声を掛けた。このバトルに至ったそもそもの原因、彼にもそろそろご退場願おう。 「な、なんだよ!どうせこんなのマグレだ!」 「昔の人は言いました。『勝てば官軍』。さ~あ、なんか言うことは?」 「お……覚えてろよ!そのうち絶対リベンジしてやるからな!」 散々使い古された捨て台詞を残すと、騒ぎの元凶は慌てて走り去って行った。結局最後までオヤクソクを大事にするヤツだったな。名前すらわからないままだったのは気の毒だが。 「隼人。そ、その……ありが――」 「ったく、いつまでたっても手間がかかるヤツだな、お前は」 「な、なによ!人がせっかくお礼言ってんのに!」 わざわざ礼を言う必要なんてないのに、そんな改まった態度をとられると調子が狂ってしまう。だから俺はあくまでいつも通りに対応した。舞もいつも通りの憎まれ口を叩けるように。 「あの……」 「へーんだ、お前なんかに感謝されなくたっていいよー」 「なっ、調子にのるな!このバカ隼人!」 「んだと!?この泣き虫舞!」 「……あのー」 「誰が泣き虫よ!?私は泣いてなんかないわよ!」 「ウソつけ。さっきだってめそめそ泣いてたクセに」 「…………くすん」 「「あ」」 不意に聞こえた声に、俺達はようやく我に返る。はぐらかすだけのつもりが、つい白熱し過ぎてしまったようだ。舞と同時に視線を落とすと、そこにはいつの間にか凛が立ち尽くしていた。なかなか気付いてやらなかったせいか、凛は目尻に涙を溜めてすねているようだった。 「よ、よお、凛。お疲れ」 「えと、お、おかえり、凛ちゃん」 慌てて取り繕うが、どうしようもない程白々しい。凛はうるんだままの目で俺達を見上げると、哀しそうに抗議の声をあげる。 「二人とも、今私のこと忘れてませんでしたか?」 「「ま、まさか!」」 「…………ぐすっ」 「じょ、冗談だよ冗談!凛。よくやったな」 今にも泣き出しそうな凛。あやすようにその頭を指先で撫でてやると、恥ずかしいのか少し頬を赤らめながら目を細めた。 「ごめんね、私のせいで無茶させちゃって。ありがとう、凛ちゃん」 「いえ、そんなこ――」 「り、ん、ちゃーーーん!!」 「うわぁ!?」 舞の謝罪に応えようと口を開いた凛に、突然情熱的なタックルが浴びせられた。勢い余ってそのまま数回転した凛は、ようやく自分に抱きついたままの彼女に気が付く。 「あ、あなたは?」 「あたしヒカリ!舞の神姫だよ。それより凛ちゃん強いね!かっこよかったよー!」 「あ、ありがとうございます」 「ね、友達になろ!一緒に遊ぼーよ!あ!あたしともバトルしよ!」 凛のバトルを見て興奮しているのか、ヒカリは凛の肩を揺すりながら一方的に喋り続けている。勢いに呑まれた凛はしどろもどろに言葉を発しているが、完全にされるがままだった。 「こーら、ヒカリ。ちょっと落ち着きなさい」 「よかったな凛。早速友達出来て」 「はい!……あの、ヒカリ、さん?とりあえず離してくれませんか?」 「ヒカリさんじゃないの!ヒカリ!友達なんだからヒカリでいいのー!」 「だ、だからヒカリ!はーなーしーてー!」 すっかり気に入られたらしい。凛もまんざらでもないようで、これならお互いいい友達になれそうだ。二人を見つめていた舞も、俺の顔を覗きこむと嬉しそうに微笑んだ。 「よっぽど嬉しいのね。隼人が神姫買うって言ってから、ずーっと楽しみにしてたもん。近くに持ってる人もいなかったしね」 「ま、凛もなんだかんだで嬉しそうだし、よかったよかった」 「はーやーとー!助けてくださーい!」 「あはは、こんやはかえさないよー!」 やれやれ、なんだか賑やかになったものだ。こんな調子じゃあ、明日からも大変そうだ。 これからどんなオーナーと出会い、どんな神姫と戦うのか。きっと色んなヤツがいるのだろう。その全てが、俺は楽しみで仕方なかった。まだ目指す場所もわからないが、これから起こる全てを乗り越えて行こう。小さな相棒、武装神姫と。 「凛!これからよろしくな!」 「はい、隼人!こちらこそ!」 『武装神姫-PRINCESS BRAVE-』
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「ハイジャック犯に告ぐ!!この建物は完全に包囲されている!諦めて大人しく投降しろ!!」 深夜8時、大東亜共和国首都の新東京市にて銀行強盗が発生した。 I.N.S.P日本支部サイバー犯罪捜査課勤務の安田 聡美警部補もこの現場に出動していた。サイバー犯罪捜査課は当初は名前道理、インターネットを使った犯罪の取り締まりを行っていたが、2016年のロボティクス・ドライブシステム、2022年のアムドライバー、そして2031年の武装神姫の登場により、それらに関する犯罪捜査も請け負うようになっていった。 「警部、このままでは人質が保ちません。強行突入の許可を!」 「しかしだな安田警部補、今交渉人が説得を続けている。今犯人を刺激するわけには・・・・・」 「だからと言ってホイホイ要求を聞くわけにはいきません!!」 現場近くの本部テント内にて、聡美は上司である初老の警部に食ってかかっていた。 「うむぅそこまで言うなら、やって見せろ。ただし、必ず人質を救出及び犯人確保しろ。MMSの使用を許可する」 「はっ!必ず!!」 しかし、この現場が誰かにとって最後の仕事になることは、聡美自身も判るはずがなかった。 その二:ドライの場合 「と言うわけ、アイン、ツヴァイ、ドライ、戦闘準備急げ!」 「「「了解!」」」 聡美は指示を受けると直ぐさま神姫達の詰め所に向かい、アイン達に出撃指示を出した。 一番機を務めるアイン、接近戦担当のツヴァイ、そして後方支援を受け持つドライで構成される小隊は複数個設定されたルートから突入(否、潜入)した。 「ツヴァイ、ドライ、そろそろ敵が来ますよ」 「判っている・・・」 「OK、いつでもどうぞ」 先頭で呼びかけるエウクランテタイプのアインに対し、それにストラーフタイプのツヴァイとランサメントタイプのドライが答える。 「二人とも安心して。キッチリサポートするから」 「それを聞いて安心しました。・・・・・来ます!」 アインが叫ぶと同時に犯人グループとその神姫達が銃撃してきたが、聡美は咄嗟に避けて難を逃れた。 「イーグル0より各機、散開して各個に応戦!!」 「「「了解!!」」」 自らも物陰に隠れて拳銃で応戦しつつ、聡美は檄を飛ばす。 それを受けたアインはビームライフルで、ツヴァイはサブアームを盾にしながらヴズルイフで、ドライは重装甲にものを言わせて被弾しながらもアクティオンで迎え撃つ。 暗い廃ビルの中、繰り広げられる銃撃戦。辛うじて確認できるのは、大小の銃弾が着弾する音と、マズルフラッシュのみ。後はどれが敵でどれが味方かも判らない闇。 『このままじゃ埒が明かない・・・・。向こうは多人数故に同士討ちの危険も高い。こっちの手持ちは三体、だとすればとれる手は一つ・・・!』 「アイン、ツヴァイ一時後退!!ドライ!反応弾の使用許可!!」 「ええ!?それって一発撃つのに政府の許可が必要じゃ・・・」 「ガス爆発って言い訳しておく!!纏めて吹っ飛ばせ!!」 そう言って聡美はポケットの中から38口径ほどの大きさの反動弾頭を取り出すとドライに放る。 反応弾、赤外線によって誘導され、着弾した際に大爆発(爆風の半径は20センチほど)を起こす強力な爆弾だ。 「もう、どうなっても知りませんよ!!」 とか言いながらもドライは反応弾を受け取り、アクティオンの銃口の先端に装着させて照準を合わせる。 「お願いだからできる限り逃げてよね!!」 アクティオンの引き金が引かれ、白い尾を引きながら飛んでゆく反応弾。 次の瞬間、大爆発が起きて犯人グループの一部と殆どの神姫が熱で、爆風でなぎ倒される。 「相変わらず、凄い威力・・・」 「後で管理官にどう言い訳すれば・・・・。OTL」 「被疑者確保ー!!!」 呆然とするアインとツヴァイを尻目に、聡美の号令一過、警官隊が突入して犯人達の両手首に白く光る手錠を掛ける。 「さてと、私たちは引き続き人質の保護に向かうわ。アイン、ツヴァイ、ぼさっとしてないで行くわよ!」 「そうなる原因を作ったのは姉さんでしょう・・・・!」 「アイン、今は仕事中」 「そうよぉ、後でジェリカン奢ってあげるから」 「はぁあ、寿命縮みそう・・・・」 聡美達が周囲を警戒しながら奥の一室へ足を踏み入れると、人質に(基、神姫質)されていたのか、一体のパーチオが部屋の隅に座り込んでいた。 「姉さん!人質を見つけました!!」 「ご苦労様。保護してちょうだい」 「了解。もう大丈夫よ、安心して」 アインが保護しようとパーチオに近づくも、完全に怯えてしまっており、なかなか向こうも動いてくれない。 「困ったわねえ、これじゃ連れて行きようが無いわ」 「そうだ!姐さん、私に考えがあるわ」 「どうするの?」 「こうするんです」 そう言うとドライはほぼ全ての武装を解除し、パーチオに歩み寄る。 「もう大丈夫よ。怖かったでしょう」 感極まったフェレット型が赤いカブトムシに抱きつく。まるで迷子になっていた子供が、母親を見つけて駆け寄っていくような・・・。 しかし、パーチオは嬉しいはずなのに一向に声を発しようとしない。 「可哀想に、声帯機能が壊れているのね」 「・・・・可愛い・・・」 「にしてもおかしいわねぇ?野良神姫とは思えないし、本当に人質のだったらどっかしらに彼女のオーナーが居るはずなのに・・・・・。まさか・・・・ドライ!その子を離して!!」 「えっ!?」 聡美が叫んだその瞬間、抱きついていたパーチオから閃光が発せられたと思うと、爆発した。 「なんてこと!!神姫に爆弾を仕掛けるなんて!?」 「姉さん!ドライが・・・・ドライが!!」 問題のドライは2メートルほど離れた所に倒れていた。 爆風をもろに受けたドライはあちらこちらがひしゃげてカーボン製の内骨格が飛び出しており、近くにいたツヴァイも顔を中心に損傷を負っている。 「修理班!何人かこちらによこして!!負傷者が出たわ!!!」 聡美が発した通信機への叫び声が、ツヴァイが気絶する前に最後に聞いた声だった・・・・。 無機質な天井がツヴァイの視界に入る。周囲を見渡すと、自身がメンテナンス用のクレードルに寝かされていることが判る。 「ん・・・・、此処は・・・・?」 「気がついたんですね、ツヴァイ」 「アイン・・・?そうだ!ドライは!?」 そう言われて首を振るアイン。 「コアユニットに留まらず、CACにも損傷が・・・。修理班もさじを投げたって姉さんが・・・」 「そんな・・・・・私が、もっと気を付けていれば・・・」 「自分を責めないでツヴァイ。悪いのはあの子に爆弾を仕掛けた連中よ」 「・・・・・・人質は?」 「別働隊が全員保護したわ。安心して」 「そう・・・・なの」 数日後修理が完了したツヴァイは治安局のメンテナンス・センターから出所してきた。 しかし、その顔には斜めに奔る傷跡が無惨に残っている。 オフィスの自身の机に着くと、二人に肩に乗っかられている聡美が口を開いた。 「ちょっとツヴァイ、どうして傷口を消さなかったの?一応神姫なんだし」 「良いの。これは戒めだから・・・」 「それよか、二人に新しい仲間を紹介するわ。ドライ、出てらっしゃい」 「「?」」 すると、一体の神姫が山積みにされた書類の影から現れた。 カーキ色のヘッドマウントディスプレイに赤いお下げ髪が特徴の砲台型神姫、フォートブラッグだった。 「アイお姉様、ツーお姉様、初めまして。本日付でイーグルチームに所属する事になりましたドライです。よろしく・・・」 「貴女は私たちの知っているドライじゃない」 「ツヴァイ・・・」 「まあともかく、三人とも仲良くしなさいよ」 「「「はーい」」」 この段階ではまだまだ馴染めないドライ(2代目)だが、この後初代以上のコンビネーションを発揮することになるが、それはまた本編で。 とっぷへ
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「『ALChemist』…よし、ここだ」 ぽちとたまが充電のために寝た後、PCの画面を見てひとり呟く。 何をしているかというと、先日のぽちの勝利の祝いとして何か買ってやるために何がいいかネットをさまよっていたのだ。 そして見つけたのがこの『Electro Lolita』というブランド。可愛らしいデザインで俺が着せたい…もとい、2人も喜ぶだろうと思いこれに決めた。 もちろんたまにも買ってやるぞ?なんたって俺が着せたい…ゲフ、ゲフン、たまの存在だって勝利に影響を与えてるんだからな。 「それで、場所は…お、アキバか。そういや最近行ってなかったな」 独り言が増えたかな?まぁいいや。明後日は日曜だし、間宮でも誘って行ってこよう。 と、いうわけで当日。 「んじゃ、野暮用で間宮と出かけてくるから、よろしくな」 「んー、避妊はちゃんとしないとダメだよー!」 「たッたま!バカなこと言わないのっ!!…あの、気を付けて…」 「否認?よくわからんけどまぁ、行ってくるわ」 それから地元の駅で待ち合わせしていた間宮とアイカと共に、30分ほど電車に揺られて昼前にやっと我らが聖地秋葉原に着いた。40年くらい前には2時間くらいかかったらしいな、科学の進歩は素晴らしい。 「うおー、久々だなぁ、ここ」 「うん、私も久しぶりに来たよ~」 前に来たときから変わってないな。正面には大人の…いや、それはいいや。 「んじゃま、もうすぐ昼だし飯でも食うか」 「そうだね~。じゃあ…あそこのお店入ろ~」 そう言いながら間宮が指差しているのは俗に言うメイド喫茶ってヤツだ。 「ん、あれは…まぁいいか」 今日付き合ってもらってるわけだし行きたいところに行ってやろう。ぶっちゃけおもしろそうだ。 「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様方!」 店に入るとメイドさんが出迎えてくれた。お嬢様方ってのはアイカも入ってるんだろう。 「ふぇ…お嬢様って…私…ですか…?」 「はい、お嬢様、こちらのお席にどうぞ!」 アイカがびくびくしながら尋ねるとメイドさんは窓際の席に俺達を案内してくれた。 こういうとこは高いんだろうな…とか思いつつメニューを見る。ん、これ… 「あれ~、『武装神姫用メイドグッズゲットキャンペーン』だって~。なんだろね~」 俺が言う前に間宮がそれを読み上げた。するとテーブル脇に待機していたメイドさんが、 「えぇ、1000円以上ご注文のご主人様にヘッドドレスやエプロン等のグッズを差し上げています。メーカー公認なんでバトルにも使えますよ」 と、説明してくれた。 なら、もらうしかないじゃないかっ!! 「行ってらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様方!」 店から出た俺と間宮の手にはしっかりとフリフリの付いたエプロンが握られていた。 「ぁの…桃ちゃん、私…着るの……?」 「うん~、可愛いと思うよ~」 そう間宮が言うとアイカは少し考えるような顔をしてから真っ赤になり、バッグの中に潜ってしまった。 まったく、かわいいやつだぜ(*^ ^*) 「よし、じゃあ目的地に向かいますかっ」 俺達が目的地としているMMSショップ『ALChemist』はここからは少し歩いたところにある無線会館の地下2階にあるらしい。 「そういえば間宮は行ったことあるのか?」 「うぅん、ないよ~、初めて~。なんだか『槇野 晶』っていう女の人が店長さんなんだって~」 「あぁ、そうらしいな。確かその人が服のデザインとかまでやってんだろ?すげぇよな」 「うん~私も前にアイカに作ってあげたけど、きれいにできなかったよ~。――あ、あそこだ~」 話ながら歩いているうちに無線会館に着いた。ここの地下だな、うん、わくわく。 「いらっしゃいませですの!えと、初めての方ですよね、ゆっくり見て行ってくださいですの♪」 到着した俺達を迎えてくれたのは綺麗な蒼い目の可愛い女の子だった。 「悠くん、あの店員さんかわいーね。外人さんかな~?」 さっそく商品を見始めた俺に間宮が小声で話し掛けてくる。 「じゃないかな?てかパーツとかも色々あるんだな。来てよかったよ」 さすがは有名なMMSショップなだけあって、品揃えは確かだ。それで、『Electro Lolita』は…と。 「お、これか」 色々なデザインの服飾品が並んでいる。それはネットなんかの画像で見るのより繊細で、見入ってしまった。 しかし…どういうのがいいんだろうか。可愛いのもいいが、2人が喜ぶようなのがいいし。 全部買う ひたすら悩む →店員さんに聞く よし、ここはあの店員さんに聞いてみようかな。 「すいません、妹…うちの神姫に欲しいんですが…どんなのがいいんでしょ?」 「はいですの、神姫の好みとかはわかりますか?」 すぐに笑顔で対応してくれる店員さん。いい人っぽいな。 「うーん、好みか…2人なんだけど、片方は機能性とかあると喜ぶかな。もう片方は動きやすいのがいいと思いますね」 店員さんは少し考えて、数着の服を選んでくれた。 「これなんかが条件に合うと思いますの。でも、神姫はマスターが自分のために選んでくれたものが一番うれしいんですの♪」 ふむ、確かにそうかも…って自惚れかな?そんなことを考えながら店員さんが選んでくれた服を見ていると。 「葵、そろそろ私が代わろう―――っと、接客中か」 奥の方から声が聞こえた。 「ようこそ、気に入ったものはあったか?」 声の主はこちらに近づいてきたらしい。誰が来たんだ?そう思って顔をあげると… 「いいのが多くて悩んじゃいま……ょぅι゛ょ?グハッ!!」 そこにいた幼…女性に蹴りをいただいた。 「誰がょぅι゛ょかッ!私は槇野晶だ!客とて容赦はせんぞ、次はないからなッ!」 「すみません…ってあなたが店長さん?」 どう見ても子供なのに、ということばを飲み込んだ。 「いかにも、そうだが?見た目で人の中身まで判断するのはよくないぞ」 またすみません、と謝って商品の吟味に戻る。お、これなんかぽちにいいな。 「それにしますの?」 葵と呼ばれた店員さんが聞いてくる。 「ふむ、それか。それは動き易さを重視したタイプだがデザインもよかろう?…それとなると、落ち着いた性格の…ハウリンか」 選んだ服だけでぽちのことを言い当てた槇野店長。この後、たまの服を選んだ時にも性格やタイプを言い当ててみせた。 この人から神姫への愛、というかそんな感じのものをとても感じられる。本当に神姫が好きなんだろうな。 「ありがとうございました、またどうぞですの♪」 「うん、是非また来させてもらいます」 しっかり選んだ服を持って店を後にする。 「すごかったね~いいの買えた~?」 確かにすごかった。是非また来たいな、よければ店長さんとももっと話したいし。 「あぁ、また行こうな。今度は2人も連れてきてやろう」 そうそう。早く帰ってプレゼントしてやるんだ、喜ぶ顔が目に浮かぶ! つづくぅう
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ウサギのナミダ ACT 1-30 □ ティアと共に、歩き慣れたこの道を歩くのは、実は初めてだと気がついた。 はじめの時はティアの電源は切っていた。 その後の時には、ティアは一人アパートに残って自主練していた。 「まあ、それでお前が家出したのは、苦い思い出だが……」 「言わないでくださいっ」 ティアは俺の胸ポケットに顔を埋めて恐縮する。 俺は苦笑しながら、ゆっくりと歩いていく。 手には、いつものようにドーナッツの箱。 今日は海藤の家に向かっている。 ゲームセンターに出入りできなくなった俺は、いい機会だととらえることにして、お世話になったところに挨拶まわりに行くことにした。 海藤の家に来るのは、前回からそれほど経っていなかったが、随分前のような気がする。 その短い間に、あまりにも多くのことがあり過ぎたのだ。 だが、そのおかげで、こうしてティアと共に海藤を訪問できる。 嬉しいことだった。 「やあ、よく来たね。入って入って」 海藤はいつものように、俺たちを歓迎してくれた。 「いらっしゃいませ」 そう言うアクアの涼やかな声も変わらない。 俺が二人の様子に思わず笑みを浮かべると、二人とも満面の笑顔を返してくれた。 海藤はコーヒーを淹れながら、旬の話題を口にする。 「バトロンダイジェストは見たよ。随分白熱した戦いだったみたいじゃないか」 相変わらず、海藤はバトルロンドの情報収集に余念がない。 テーブルの上に、くだんの最新号が置いてある。 表紙を見るたび、面映ゆい気持ちになる。 「その表紙は勘弁してほしかったんだがな……」 「いいじゃないか。その表紙、結構インパクトあったみたいだよ。 ネットでも評判を調べたけど、かなりの反響だ。 記事の内容については……特に神姫との絆についての言及は、おおむね好評みたいだね。 思うところがあるオーナーはたくさんいるみたいで、神姫との絆について、あっちこっちで議論になってる」 「へえ……」 それは知らなかった。 俺は意図的に、雪華とのバトルについての情報を集めるのを避けていたから。 神姫と人間との関係について、改めて考える契機になるならば、それはそれでいいと思う。 「それで、だ。海藤……」 「ん?」 ドーナッツを頬張る海藤に、今日の本題を切りだした。 ■ 「久しぶりですね、ティア」 「はい……アクアさん」 アクアさんとこうして話をするのは、実は初めてだということに、今気がついた。 でも、そんな感じが全然しない。 それは、よくマスターからアクアさんのことを聞いているからだろうか。 それとも、アクアさんが醸し出す雰囲気から来るものなのか。 アクアさんはイーアネイラ・タイプの典型だった。 落ち着いた物腰、優しげな表情、大人びた美貌に、鈴の音のように美しい声。 でも、アクアさんはそれらがさらに洗練されているように思える。 「ずっと……アクアさんとお会いしたいと……お話したいと思っていました」 「あら、そうなのですか? どうして?」 「アクアさんが……マスターが初めて憧れた神姫だから……」 わたしは少しうつむいて、言った。 マスターは、海藤さんとアクアさんを見て、神姫マスターになりたいと思ったという。 海藤さんとの仲がいいだけではなく、アクアさん自身にも魅力があるということだと思う。 わたしは思っていた。 マスターの心を動かせるほどの、アクアさんの魅力ってなんだろう? 「わたしは……嫉妬しているのかも知れません。 こうしてマスターと心通わせることができても、どんな神姫になればいいのか、わからなくて。 アクアさんなら、マスターが憧れた神姫ですから、きっとそのままでもマスターは満足なのではないかと……」 アクアさんは、優しい微笑みを浮かべながら、わたしを見ている。 「そんなことはありませんよ」 「そう、でしょうか……」 「あなたがボディを変えられて目覚めたとき、わたしもそばにいました。覚えていますか?」 「は、はい……」 わたしは少し恥ずかしくなる。 あのときも、わたしは泣きじゃくって、アクアさんに優しくしてもらった。 わたしは優しくしてくれた人たちに、お礼を言うこともできずにいて、やっぱりダメな神姫だと思ってしまう。 「あのとき……遠野さんはとても嬉しそうでした。わたしが今まで見た遠野さんで一番」 「……」 「今日も、とても嬉しそうな顔をしています。 あんな表情をさせるのは、ティア、あなたです。 遠野さんが神姫マスターになるきっかけだったわたしではなく、あなたなんですよ」 アクアさんはにっこりと笑う。 アクアさんは優しい。 今日もわたしを優しく励ましてくれる。 不意に、アクアさんは目を閉じて、こう言った。 「わたしも、ティアがうらやましいです」 「え……?」 なぜ? 海藤さんと幸せに暮らしているアクアさんが……わたしのマスターがうらやむほどの神姫が、なぜわたしをうらやむというのだろう。 「あなたが武装神姫として戦い続けているから。 マスターが本当はバトルロンドを続けたいと思っているのを知りながら……わたしは何もできないでいます。 あなたは戦える。遠野さんが望むように。 それがうらやましいんです」 驚いた。 アクアさんみたいに優しい神姫が、戦うことを望んでいるなんて。 「でも、アクアさんの想いも、海藤さんの望みもかなうかも知れません」 「え?」 「わたしのマスターが、かなえてくれるかも」 少し驚いた顔のアクアさんに、わたしはそっと微笑んだ。 □ 「『アーンヴァル・クイーン』と戦ってみないか」 それが今日の俺の本題だった。 バトルロンドを捨てた海藤だが、バトルをしたくないわけではないはずだ。 それに、クイーンならば、どんな条件を海藤がつけても、バトルしてくれるだろう。 俺は海藤に、クイーンがなぜ俺たちを指名したのか、その理由を語った。 「クイーンは、特徴のある神姫と戦い、戦い方を吸収しようとしている。 だから、バトルの場所も設定も、こちらの要求が通るはずだ」 「……」 「バトルのことを公にすることには、彼らはこだわっていないみたいだし……条件付きで、クイーンとバトルしてみてはどうだ?」 俺は別に『アーンヴァル・クイーン』の肩を持っているわけではない。 海藤自身、彼らに思うところがあるようだったし、機会があれば協力してもいい、みたいなことを言っていた。 雪華のスタンスは、バトルを拒む海藤に、ぎりぎりの妥協点を見つけることができるかも知れない。 それに、海藤だって、バトルロンドに未練があるはずだ。 クイーンとバトルして、その思いが再燃すればいいと思う。 それでアクアの心配の種も、一つなくなるはずだ。 だから、思い切って切りだしてみたのだ。 海藤は、一つ溜息をついた。 「まあ、確かに、クイーンに協力したいとは言ったけどさ……」 俺は黙ってうなずいた。 「だけど、まともなバトルロンドじゃ勝負にならないだろうし……彼らが望んでいるのも、そこじゃないんだろうしね……」 「……海藤」 「なんだい?」 「そんなに、バトルロンドに戻るのが嫌か?」 「……僕は一度、裏切られたからね」 苦笑いする海藤。 だが俺は言葉を続けた。 「だけど、バトルロンドは素晴らしいと思ってるだろう?」 「……うん、そうだね」 「この間、お前の家に来たときに言われた言葉……今でも覚えてるよ。 『バトルだけが神姫の活躍の場じゃない』ってな。 その時は俺も、バトルロンドをあきらめようと思った。お前の言うことももっともだと思っていたさ。だけどな……」 海藤は不思議そうな顔をして、俺を見つめている。 俺は続ける。 「あるホビーショップで、武装神姫のバトルを観て……ああ、やっぱり、バトルロンドはいい、と思った。 自分の神姫とともにバトルする時間は、何物にも代え難いと思う。 俺はバトルを諦めたくなかった……だから、今こうして、ティアとバトルができる。 お前も……そろそろ諦めるのをやめて、いいんじゃないのか」 沈黙が流れた。 長い間黙っていたような気がするが、大して時間は経っていないようにも思える。 やがて、海藤はまた溜息をつく。 「まいるよね……そんなに熱く語るのは、君のキャラじゃないんじゃないの?」 「……最近宗旨替えしたのさ」 「まあ……あのゲーセンじゃなければ……ギャラリーがいなければ、やってもいいのかな……」 「海藤……」 やった。 海藤がとうとうバトルに戻ってくる。 冷静を装いながらも、俺の心の中は沸き立っていた。 「それじゃあ、クイーンに伝えてよ。 バトルは受ける。そのかわり、これから僕が言う条件を飲んで欲しい。それでいいならバトルを受ける……あ、その条件でも、雪華が望むものは観られる、と伝えておいて」 「わかった」 そして、海藤から提示されたバトルの条件を聞くにつれ……その奇妙な内容に、俺の方が首を傾げた。 □ 「……それで、クイーンとアクアのバトルはどうなったの?」 隣を歩く久住さんは、興味津々といった様子だ。 ホビーショップ・エルゴに向かう途中の商店街を、俺たちは歩いている。 俺は少し渋い顔をしながら答えた。 「うーん……圧勝といえば圧勝だったんだけどさ……」 「へえ、さすがクイーン」 「いや、アクアが」 「え?」 久住さんは、目をぱちくりとさせて、驚いている。 それはそうだろうな。 俺は胸ポケットのティアに尋ねる。 「なあ、あの時のアクアと雪華の対戦、三二対○でアクアが取ったんだったか?」 「あ、最後の一本は相打ちだったので、三二対一でアクアさんです」 「……なにそれ?」 ミスティもきょとんとしている。 まあ、それもそうだろう。 普通のバトルロンドでなかったことは確かである。 どんな対戦だったのかというと、それはそれは地味な戦いで、雪華は手も足も出ずにあしらわれたということなのだ。 信じられないかもしれないが、本当なのだから仕方がない。 この戦いについては、いずれ語ることがあるかも知れない。 俺がエルゴに行くのは、店長に改めてお礼に行くのと、約束通り客として買い物に行くのが目的だった。 日暮店長は相変わらず熱い人で、俺が改めて礼を言うと、照れながらも喜んでくれた。 そして、先日の神姫風俗一斉取り締まりについて、少しだけ教えてくれた。 店長が、俺の渡した証拠を持って、警察にあたりをつけたとき、すでに警察内部でも、神姫虐待の疑いで神姫風俗を取り締まろうという動きがあった。 その発端となったのは、例のゴシップ誌に載ったティアの記事だったという。 あの記事は予想外の反響があったらしい。 そのため、警察も見過ごすことができなくなっていたのだ。 ただ、神姫風俗の取り締まりを、どの規模で行うかは決まっていなかった。 今回の一斉捜査にまで規模を広げるように尽力してくれたのは、かの地走刑事だったそうだ。 なるほど、警察の動きが妙に早かったのは、下地があったからなのか。 しかし、日暮店長が何をしてくれたのかは、何度訊いてもはぐらかされて、分からずじまいだった。 もう一つの用事である買い物は、もちろんティアのレッグパーツの改良用部品である。 エルゴには十分な部品が揃っているし、日暮店長も装備の改造や工作にやたら詳しい。 俺は自分で書いた図面を持ち込み、日暮店長と相談しながら部品を揃えていく。 在庫がないパーツは、カタログを見ながら店長のおすすめを聞き、それを注文した。 届いたときには、またエルゴに足を運ばなくてはならない。 時間もかかるし、電車賃もばかにならないが、店長へのせめてものお礼ではあるし、俺自身がこの店に来るのが楽しみで仕方がない。 久住さんも一緒に来てくれるのだから、そのぐらいの負担は大目に見ようという気になろうというものだ。 □ その久住さんには、彼女がホームグランドとしているゲームセンター『ポーラスター』に案内してもらった。 あの事件以来、俺とティアはバトルができる状況じゃなかった。 対戦のカンを取り戻すのと同時に、新しいレッグパーツ、新しい戦術も試さなくてはならない。 そのためには、日々の対戦環境がどうしても必要だった。 自宅でのシミュレーションでは、どうしても限界がある。 『ポーラスター』は、俺たちのいきつけのゲーセンよりも大きく、バトルロンドのコーナーも倍くらいの広さがあった。 それでもすべての対戦台が埋まっているほど盛り上がっているし、神姫プレイヤーも多い。 久住さんがバトロンのコーナーに入って軽く挨拶しただけで、歓声に迎えられた。 大人気だった。 あとでこの店の常連さんに聞けば、彼女はずっとこの店の常連だという。 『エトランゼ』として、他の店を飛び回っていることが多いので、この店に戻ってくると、常連プレイヤーたちの歓迎を受けるらしい。 久住さんの紹介で、俺はこの店でバトルする機会を得た。 ティアの新しいレッグパーツを試し、調整し、また戦う。 新しい技や戦術も実戦の中で試すことができた。 時にはミスティに協力してもらい、練習したりもした。 ありがたい。 おかげで、ティアは新しいレッグパーツをあっという間に使いこなせるようになり、新戦術を使いながら、バトルロンドを楽しむことができた。 『ポーラスター』は、客の雰囲気がいい店だった。 俺がティアのマスターだとばれたときには、ちょっとした騒ぎになったが、誰もが紳士的な態度でほっとした。 神姫マスター同士も和気藹々としていて、まずバトルを楽しもうという気持ちが感じられる。 初級者でも、上級者にバトルについていろいろ尋ねることをためらわないし、聞かれた方も丁寧に答えている。 このゲーセンの実力者は、久住さんを含めて五人いるそうだが、五人ともこのようなスタンスを貫いているという。 故に、中堅の神姫プレイヤーも初級者も、ついてくる。 そんな環境だと、上級者のレベルが頭打ちになりがちだが、エトランゼに影響されて、他のゲーセンに遠征する常連さんも多いという。 その結果、総じて対戦のレベルが高くなっている。 理想的な環境だと思う。 俺が通うゲーセンもこうだといいのだが。 □ そんな風に過ごして、一ヶ月が経った頃。 土曜日の夕方の『ポーラスター』。 久住さんと一緒にバトルロンドのギャラリーをしていた俺に、電話がかかってきた。 通話ボタンを押すと、 『わーーーーーっはっはっは!! みたか遠野、ざまあみろ!!』 大声の主は、大城だった。 隣の久住さんにも丸聞こえで、思わず吹き出している。 「……いったいなんなんだ、大城」 『ついにやったぞ! ランバトで、三強を倒して、ランキング一位だ!』 「おお……それはおめでとう」 そうか。 ついに大城と虎実は、あのゲーセンで一位になったのか。 それは、俺が待っていた連絡だった。 『どうだっ! 俺たちだってやればできるんだぜ、わっはっは!』 『つか、話が進まねぇだろ! かわれ、バカアニキ!!』 電話の向こうで、大城の神姫が叫んでいる。 しばらくして、虎実の静かな声が聞こえてきた。 『……トオノか?』 「そうだ」 『アタシ、ランバトでトップになった』 「聞いたよ」 『……約束、覚えてんだろーな』 「忘れるはずがない。俺たちをバトルロンドに引き留めてくれたのは、お前との約束だよ、虎実」 『ばっ……んなの、どーでもっ……そ、それよりも、ティアと! ティアと戦わせてくれるんだろ!?』 虎実の声がうわずっている。 照れているのが手に取るように分かる。 俺は思わず苦笑した。久住さんの肩で、ミスティが吹き出している。 「もちろん。お前がそう言ってくれるのを待っていた」 『なら……約束を守ってくれ』 「わかった」 明日、いつものゲーセンで。 ついにティアと虎実のバトルだ。 俺は携帯電話の通話を切ると、いつものように胸元にいるティアに声をかける。 「ティア……約束を果たそう」 「はい、マスター」 そう言うティアは嬉しそうに微笑んでいた。 次へ> トップページに戻る
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前へ 神姫とは。 ある世界においては、全稼働型の美少女アクションフィギュアのことである。 神姫とは。 またある世界においては超高性能AIを搭載した、主人に従う心と感情を持つフィギュアロボットのことである。 神姫とは。 古今東西あらゆる属性を取りそろえ、抜群の容姿と戦闘力を兼ね備える完璧超人(?)である。 神姫とは。 主人の好機に槍となり、なにより生活に潤いを与えてくれる存在である。 そして鷹峰家の神姫とは…… 『ハーヤーテー!!』 別に東京の朝空に響き渡ってはいないが、ハヤテは少女の声を聞き即座に自分のベッドから飛び起きた。 鷹峰ハヤテは十五歳。職業は高校生……予定。 予定というのは、今は中学校卒業後の高校への準備期間であり、まだ高校生ではないからである。 「……どうしたの、ナギ」 眠たげな眼をこすりながら、ナギの声のするほうを向く。 すると小さな二つの液晶画面に向かっていた少女が、不機嫌そうな顔でこっちを向いた。 『バトルハウスで100連勝できない!!』 彼は苦笑いをしながら、あぁ、と思った。 「朝からゲームですか」 『何度やっても60くらいで止まってしまうのだ。 ハヤテ、もうマルチバトルでもいいから助けてくれ』 「……そうだね、面白そう」 彼はそう言いながら部屋の扉に手をかけた。 「じゃあ、着替えて顔を洗ってくるよ。 そしたら僕も入ってあげる」 神姫とはいえ、少女のいる部屋で着替えるのは抵抗があったのである。 『……わかった、早く済ませろよ』 心の中で「はい、お嬢様」と言いつつ、ハヤテは廊下で着替えを済ませ、洗面台で顔を洗った。 「ただいま」 樫の木でできた扉を、極普通に開ける。 『遅い!「ハヤテ」なら全力疾走で来るところだぞ!』 「いや、階段もあるしそれはちょっと」 ハヤテは3DSを起動しながら言う。 「……それで、どんな作戦で行こうか」 『雨パでいいだろう』 「え? 僕晴れパなんだけど……」 『えー? そうなのか? じゃあ私に合わせろよ』 「えぇ? でも…… うーん……」 『あー、もういい、私はこれで行くぞ!』 「え、え? じゃあ僕もこれで……」 バトルの明暗を分ける2人のパーティの相談しないまま受付を済ませる2人。 だがそのパーティの中身は…… 「あれ、ナギ普通のパーティで行くの?」 『そういうお前も普通のじゃないか』 「それは、ナギに合わせようかと……」 『私もお前に…… おっと、始まってしまったな。 む、相手は初戦から強いのを繰り出してきたぞ……』 「大丈夫、たたみがえしがあるよ……ほらっ」 『おおっ!』 彼女を防御技で守って見せると、少女は感心の声を上げた。 彼女こそがハヤテの神姫であるナギ。ハヤテのごとく!のヒロインである三千院ナギをモデルとしたれっきとした武装神姫の一人である。 「主を守るのは、執事の務め、だよね」 『うむ、これで安心して積めたぞ!』 「よし、じゃあ攻撃だ!」 『うむ! ……当たった! 凄い! やったぞハヤテ!』 協力により、見事強力な相手を倒した二人はお互いに賞賛しあった。 『やっぱり、ゲームは二人でやると楽しいな』 「寝起きでマルチバトルするとは思わなかったけどね、ところで」 『ん?』 「このハヤテのごとく!のノベライズ版一巻プロローグ風のオープニングの流れはいつまで続くの?」 『そうだな、そろそろやめるか』 というわけで、普通の流れに戻ります。 第1話 「ナギのごとく!」 本日4月6日。 あれからもう十日が経とうとしていた。 もちろんあれとは、ナギが鷹峰家に来たあの日である。 「……はぁ、もう明日は学校かぁ……」 『学校?』 「言ってなかったっけ。 明日は高校の入学式なんだ。 だから、明日から学校」 『なんだ、お前ニートじゃなかったのか』 「……違うよ。 っていうか、生徒手帳見せたよね?」 休暇中ニートのような生活をしていたのは確かであるが。 ナギが鷹峰家に来たことも相まって、二人でゲーム三昧な毎日を送っていたのである。 「そうだ、ナギは僕が学校行ってる間どうするの? ……ナギも学校来る?」 『誰がそんなもの行くか。 家でゲームでもしているさ』 (そう来ると思ってた) 原作でも不登校気味で一日中家で漫画とゲームをしておりスーパーインドアライフを全力で満喫しているようなヒロインである。 (連れてけなんて言われたらどうしようかと思ってたけど、余計な心配だった) 「じゃあ、ナギは家で待機ね」 『……ハヤテもサボったらどうだ。 ゲームの続きをしようじゃないか』 「僕は初日から学校をサボれるほど、ナギみたいに神経が図太くないからね」 『む!あれは別にサボったわけではない! ただちょっとその……たどり着けなかったと言うか……なんて言うか……』 「でも登校中に海に行こうとしたり勝手にはぐれて時間を潰そうとしたり……」 ※ハヤテのごとく!4巻参照。 アニメではそのシーンは削られてました。 『うるさい!とにかく私は学校には行かんからな! 一人で一人用のゲームでも漁っているから安心して学校に行ってくるがいい!』 「あはは、はいはい。 さて……じゃあ」 時計を見ると、もう11時50分。 あと10分もすれば4月7日。入学式の日だ。 ちなみに学校が始まるのは8時40分である。 (通学の時間とか計算して……7時くらいに起きればいいかな。 やっぱり最低でも7時間は寝たいから、そろそろ…… でも、やっぱり初日から遅刻は嫌だし、もう少し早く?) 『ハヤテ?』 「とりあえず、アラームをセット……」 ハヤテはスマホを操作し、アラーム機能の画面を開く。 時間を6時にセットし、音量を最大に、ちゃんと設定されたのを確認し、携帯を閉じた。 「それと、明日持っていくものは…… 上履きと、筆記用具に、財布に、携帯電話(スマホ)に…… あと、ゲーム機も……」 復唱しながらバッグに詰めてゆく。 (こんなものかな) 確認を終え、ハヤテは歯を磨きに行くために立ち上がる。 「じゃあ、僕は歯を磨いて寝るよ。 ナギもクレイドルに戻ったら?」 『あぁ、そうだな。 ハヤテが寝るんじゃ仕方ない、私も寝るさ。 ……でも、電気を切るのは戻ってきてからだぞ、いいな』 「わかってるよ」 ナギは一人で眠れない、という部分も再現されているようで、 こういった細かい再現もファンであるハヤテとしては嬉しいところである。 「ただいま」 『おお、戻ってきたか』 そう言ってナギはクレイドルに座り込む。 『それじゃあ、もう寝るぞ』 「そうだね、それじゃあおやすみ、ナギ」 『うむ、おやすみ』 ハヤテはナギがスリープ状態になったのを確認し、そのままベッドに転がりこむ。 (学校か…… ……確かに二人で一日中ゲームしてたいって気持ちはナギと同じなんだけどな) ハヤテはそう思いながら、眠りについた。 次へ
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前を見た少女と、煌めく神の姫達(その二) 第四節:真心 楽しかった夕餉も終わり、私達は電車で次の場所へと向かった。そこは、 冬のお台場である。バレンタインには相当早い為か、夜と言ってもさほど カップルの数は多くない。私達の邪魔をされないという意味では、上等! 「とりあえず、観覧車にでも乗るか?街の夜景を見るのも、いいだろう」 「はいっ!あたし達も、こんな所に来るのは初めてですから緊張します」 「……多分それは、マイスターも同じなんだよ?だって頬が、紅いから」 「マイスターも来た事無かったの?大丈夫かしら……でも付いていくわ」 「折角のデートですから、デートコースはマイスターにお任せですの♪」 民放キー局が遠くないこの場所にあるのは、湾岸地区の夜景を楽しむには 最適と、午前中に買い求めた雑誌の記事で書かれていた大観覧車である。 なるほど……目の前にしてみれば、小さな私の躯にはかなり大きい。更に 躯の小さな神姫達ともなれば、天を突く程の巨大な風車なのかもしれん。 「……ふむ、どうだ。これに乗って、今から暫く皆に話をしたいのだが」 「う、うん。良いわよ……アタシには何がどうとか、まだ分からないし」 「きっと東京の夜景が、煌めく無数の宝石みたいに映るはずですの~♪」 「楽しみ、かな。さぁ、マイスター……行こう?邪魔のされない領域に」 「どんな時間が過ごせるのか、楽しみですね……ええと、大人一枚です」 訝しむ受付嬢に“大人一枚”と復唱して、私達はゴンドラへと乗り込む。 デートスポットに一人で来る、こんな外見の私を不審に思うのも当然か。 だが無闇にそれを怒るよりも、今は大切な“妹”達との時間を尊重する! 「ほう……これが、東京の夜景か。どうだ皆、自分達が住まう街の灯は」 「うん、綺麗!凄く綺麗よ……世界がこんなに輝いてるのに、アタシっ」 「それ以上は言いっこ無し。エルナちゃんも、この光景を楽しむんだよ」 「そうですよ。ほらアレ見て下さい!東京タワーですよ、東京タワー!」 「夜空の星はちょっと見辛くても、夜の灯火はまた綺麗ですの~……♪」 その自制が奏功し、皆は輝く夜の街並みに釘付けとなっている。無論私も 東京の美しさを再認識して、荒み気味の“心”が満たされるのを感じる。 陳腐とは思うが、こういう些細な事さえも……今なら大事に思えたのだ。 そして最上部へ差し掛かった辺りで、私は話を切り出してみる事とした。 「……さてと、まずは今日の修理で何をしたか。それを告げねばならん」 「修理、ですか?あたし達は全身のモーターと、電装機器が不調で……」 「とても立ってられなくて、セーフティが起動したんだよ。大丈夫かな」 「有無。それらの交換・修理は無論だが、CSCへの負荷が大きかった」 正直、今告げて良いかは悩んでいた。だが、この後にもっと重大な告白を せねばならん以上は、この程度なら『大事の前の小事』と言えるだろう。 私は、少し不安げに見つめる四人を膝に乗せて“治療”の内容を告げる。 「そこで損耗が軽微な“プロト・クリスタル”の情報を利用したそうだ」 「利用?それって、データの補強に別のCSCを用いたって事ですの?」 「そうだ。現行型CSCの論理ダメージは、そうして修復したらしいぞ」 そして物理的な傷は、Dr.CTaが持つマイクロマシン用の技術で回復した。 その辺をどうやって直したのかは、私には分からぬが……恐らく彼女なら 後顧の憂いがない程度に“傷”を修復してくれた、そう私は信じている。 「そしてエルナ。お前の“CSC”も、同様の方法で修復したと聞いた」 「えッ!?ちょっと、CSCって……アタシにそんなのが入ってたの?」 「有無。当然、現行型CSCではない。もう一つの“プロトタイプ”だ」 「じゃあ……これでエルナちゃんは、正真正銘“神姫”になれたのかな」 「更に言えば、本当の意味であたし達の“妹”にもなりましたね……♪」 それはロッテのCSCが正式に認可される程度に、CSCと酷似した珠。 神姫の試作品が源流ならば、それも必然だったのだろうが……エルナに、 “心”が宿るのを拒む者が居なかったのは、これで確かとなったのだッ! 「やっぱりエルナちゃんは、愛されてましたの。そしてこれからもっ♪」 「う、うん……アタシにも“心”……“真心”が、宿ったのかしら?」 「無論だろう。四人とも、各々の“真心”を得て蘇ったのだ。大丈夫!」 恐らく同じ修理法は何度も使えぬだろう。それだけの“離れ業”なのだ。 だが、Dr.CTaがそうして皆を蘇らせた事は……私達にとって特別な意味を 持つだろう。“魂”が神姫にあるならば、その繋がりがより強固な物へと 進化したという事が、言えるのだからな。私にとっても、誇らしい事だ! 「そっか……じゃあ、アタシもお姉ちゃん達の大切な“妹”になれる?」 「勿論ですの!エルナちゃんは、これからもずっと大切な存在ですの♪」 「ボクらも……アルマお姉ちゃんも、ロッテお姉ちゃんも……なのかな」 「それは、マイスターの“告白”を聞けば分かると思いますよ……うん」 「そうだな。では今こそ、言おうではないか……っと!?ちょっと待て」 そして“様態”の説明が一区切り付いた所で、皆の視線は私へと集まる。 そう、いよいよ告げねばならぬ時が来た……と思ったのだが、見ると外の 風景は、輝く夜景から元居たビルの谷間へと戻ってきていた。そう、今は 観覧車の中……一周してしまえば、降りなければならない。迂闊だった。 「う、うぅむ……時間が来てしまった。場所を変えて、そこで話そうか」 「それがいいですの。ちょっといい雰囲気だったのに、残念ですの……」 「ぅぅ……じゃあ何処に往きますか?あたしは何処でも大丈夫ですけど」 「やっぱり、ロマンチックな場所がいいと思うんだよ。大事な事だから」 「アタシは……胸が熱くなる感じがしてたから、助かるわ。少し怖い位」 ──────私も怖いけど、だけど……とても胸が暖かいよ。 第五節:約束 場所の選定ミスによって、告げるタイミングを逃した私達。だが、ここで 諦めるつもりはない。という訳で、観覧車を後にした私達は海浜公園へと やってきた。潮騒の音が、優しく夜闇を揺らす……そんな静かな場所だ。 だが、どうも仕切直しとなった空気は重苦しい。何から話せばいい……? 「……ところでさ、マイスター。なんでアタシの名は“エルナ”なの?」 「む。いきなりだな、エルナや……そうか、名前の由来が知りたいのか」 「そうみたいなんだよ。ボクは、お店の名前からもらったんだけど……」 「あたしもですね。“ALChemist”から一文字もらってます……あっ!」 そんな雰囲気を撃ち払ったのは、エルナだった。そう、“妹”の名前には しっかりと意味がある。店名から、ドイツ人女性の名を導き出したのだ。 “Alma”と“Lotte”、そして“Clara”に“Erna”。不思議か?だがッ! 「そう。エルナの“r”と“n”は、“m”を分解して捻り出した物だ」 「つまり“錬金術師”の名を冠する大切な神姫、って事になりますの♪」 「アタシも、同じ存在なのね……じゃあ残りの字は、どうするのかしら」 私の考えを聞いて、エルナは嬉しそうに……しかし、少しだけ不安そうに 私を見つめる。彼女の純粋な問いに対する答えは、私の胸にある。それは 少し照れくさい言葉となるが、“告白”の切っ掛けとしては上等だろう。 「まず、“ist”は“Christiane”……クリスティアーネから取った物」 「……なら残りの“h”はどうしますの?それが、気になりますの……」 「そうだな。“Herz”……ドイツ語で、“心”や心臓を意味する単語だ」 『え……?』 そうだ。皆の中心には“心”が……私の“心”がある。今から告げるのは それを確固たる物とする為の、誓いの儀式だ。言葉は、選ばねばならん。 「エルナ。新しく私達の“妹”となる、気高き紫の姫君よ」 「な、何?……マイスター、何でもいいわ。話して……」 「お前を解き放った以上は、終生まで側にいてもらうぞ?」 「これ……首飾り?お姉ちゃん達と、お揃いの……?」 私は、答えを待たずポケットから一つのペンダントを取り出して、彼女に 付けてやった。そう、私の……歩姉さんのペンダントを元に作り上げた、 五人お揃いのペンダント。これがエルナに与える、“約束の翼”である。 何れは此処に神姫バトルの階級章を嵌め込む。そうして完成する逸品だ! 「……クララや、静かなる翠の姫君よ」 「何、かな?マイスター……」 「智恵と、秘められた優しさ。これからも大事にしてほしい」 「……大事に?……それは……」 クララは答えを紡ぎ出そうと俯き何かを思うが、私は更に皆へと告げる。 四人もいるのだ、一々区切るよりは一遍に告げてしまった方が楽だろう? 「アルマよ。陽の如き、明るき紅の姫君」 「は、はいっ!?」 「お前の暖かさと“姉”としての矜持は、皆を支えていくだろうな」 「ぁ……支えるだけじゃ、ダメなんです……その……」 アルマは反論しようとしたが、そこで一端言葉を句切った。そのまま私は 残った一人へと、そして皆へと想いを告げる事とする。血が沸騰しそうな 感覚を堪えて、私は言葉を絞り出す。最早、隠す事は出来ないのだから。 「……そしてロッテ、澄み切った蒼の姫君よ」 「はいですの♪」 「お前は、純粋な“心”で私の……皆の力となった」 「……そう言ってもらえると、光栄ですのっ」 「そして、皆……今だけは、私の『本当の言葉』を伝えたい」 『はい……』 それは、遠い昔に棄ててきた私の“弱さ”。しかし、完全に捨て去る上で 彼女らに、それを伝えないといけなかった……ううん、伝えないとダメ。 私の弱い所も強い所も、全部……何もかも皆に見せないといけないから。 「コホン……皆、とても大切。『好き』とか『愛してる』だけじゃない」 「ま、マイスター……?」 「もっともっと純粋な『大切にしたい』って想いが、私にはあるんだよ」 「……マイスター、その口調……」 「でも、それを一言にしちゃうなら……やっぱりこうなっちゃうかな?」 「ずっと前、お店を立ち上げるより前の……弱かった頃の言葉ですの」 「だから、私は言うよ。アルマ、ロッテ。クララ、エルナ……四人とも」 「う、うん……何?」 そう……これは私が弱さを棄てる前に、歩お姉ちゃんと話していた言葉。 今この時は、この言葉で語りたい……だって、止められない想いだもの。 それはたった一言。陳腐でも、飾らなくてもいい。偽れない大切な言葉。 「“大好き”だよ……皆」 『あ……!?』 その言葉と共に、私は皆の小さな……とても小さな唇と、優しく触れる。 堅い殻の躯だけど、それでも“心”はとても甘く切なくて……暖かいの。 だけど、それを認識したから……私はやっぱり、素直になれないのだな。 「……は、はは。今更生き様は換えられぬが、雰囲気もあるしな?」 「マイスター……」 「だから今だけは、あの言葉で想いを……な、何だクララや?」 そう言い、照れながらも調子を戻した私の掌に乗るのは、クララだった。 彼女は、心なしか潤んだ様に映る“琥珀色の瞳”で、私を見つめている。 「異形を抱えて消えかかったボクを救ってくれたのは、貴女なんだよ」 「……う、うむ。そうだったな」 「その時から、ボクの“心”にはずっと貴女がいたもん」 「クララ……?」 「だから、ボクも言うよ……掛け替えのない大切な人に“大好き”って」 「んむ……ん、ぷは。クララ……むぐぅ!?」 そして私の唇に押しつけ返される、クララの小さな唇。そっと抱きしめる 私の手中で、彼女は身を退き……アルマへと、身を譲った。彼女もまた、 私の唇を奪い……そして、泣きそうな儚い笑顔を浮かべつつ言ったのだ。 「ん、ん……あ、アルマっ?」 「支えるだけじゃダメです。あたしも、皆を愛して……愛されたいから」 「アルマ、お前……」 「だって貴女の“心”が、あたしを暖かくしてくれたから……だから」 「……有り難うな、本当に」 「いいんです、一生お返しするんですから。“大好き”な人に……ね?」 涙が零れる。だが、皆の思いが籠もった“琥珀色の瞳”を見逃すまいと、 私はずっと皆を抱きしめながら、その想いに応えていくのだ。次に、私の 前に現れたのはエルナ。彼女は、頬を真っ赤に染めながら上目で告げた。 「……正直ね?まだ、何もかも信じ切れたわけじゃないの」 「エルナ……それは、そうだろうな」 「だけど、貴女達なら……お姉ちゃん達と貴女なら、信じてみたいわ」 「……そうか」 「“命”と“心”を掛けて救ってくれた皆を、“大好き”って言いたい」 「──────ッ!」 「それが、アタシの“真心”。素直じゃないけど、赦してね?……んっ」 「ん、む……んぅぅ!?」 エルナの告白と共に、私の唇は三度……そして四度塞がれる。最後に私へ “純潔”を捧げたのは……他ならぬロッテだった。彼女は、とても明るく 私に微笑みかけて、そして紅潮する顔をそっと抱きしめてきたのだ……。 「人と神姫では、歩いていける時間が違いますの。永遠は無理です」 「ロ、ッテ……?」 「だけど、全ての時間を“大好き”な人と共に使いたいですの♪」 「あ……ロッテ、皆……ッ!!」 「だって、本当に“大好き”なんですから……貴女の事が」 「……ぐす、みんなぁ……ッ」 「だから万一人間の恋人さんが出来たって、問題ないですの~♪」 「ッ……ばかぁ、っ!」 ロッテの“告白”を受けて、四人が私を見上げる。堪らなく、愛おしい。 私は優しく抱きしめた。小さな殻の躯に詰まっているのは“空”ではなく 純粋で穢れのない“心”。その眩しさで、また私の視界は潤んでしまう。 私は、ずっと……愛しい“妹”達を抱きしめて、歓喜の涙を流していた。 彼女らも、その想いは同じだろう……それがまた嬉しくて、微笑むのだ。 「ぐす……私の“弱さ”を見せたのはお前達だけだ、そして……だなっ」 「今後“弱さ”を見せる事は多分無いだろう……って言いたいのかな?」 「それでも大丈夫ですよ。今の……マイスターの“心”は、皆の中に!」 「ちゃんと刻まれたわ……大丈夫、忘れない。貴女の全てと共に歩むの」 「だから、もう一回だけ。皆で“告白”しますの♪いっせーのーせっ!」 『マイスター……“大好き”ですッ!!!!』 ──────私も、“大好き”だよ……。 ──武装神姫……小さな戦乙女。人と機械の垣根を越えて、そんな君達に 出会えた喜びは、ずっと朽ち果てない宝物だよ……小さな私の“妹”達。 皆で、ずっと一緒に歩んでいこうね。それが、皆の“願い”だから──。 妄想神姫:本編 / Fin. メインメニューへ戻る
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は ま や ら わ 英 数 用語集 (は~わ・英・数) は [部分編集] バッカル マリーセレスのリアである、「アーク・E・トゥージス[A]+ハフ・グーファ」を装備することで使用可能なアクティブスキル。 大量の弾を敵に向けてバラまく。公式曰く、「当たればでかく、逆転できるロマンスキル」。 だがロマンスキルというだけあって、誘導がかなり弱い。具体的には横に歩いただけで簡単に弾が神姫の横をすり抜けるレベル。 一方硬直狩りに使うなら、非常に高い打点を「レーザー」などより安定して、タイミングさえ合えば確実に当てることが出来る。そのため、「体力回復」や「ゴールデンエンジェル」等モーション付きのスキル対策、あるいはスキル時に敵味方の神姫が動かないAIタッグバトルでの火力源として使われている。 この場合、アセンはバッカル無しでも戦える程度までチューニングする形が人気。体力回復を使えばバッカルを当てられ、使わなければそのまま倒されるという二択を押し付けられるからである。 なおバッカル時の硬直に対してもバッカルを当てることが出来るため、バッカルを持つプレイヤーが同時に二人以上居るならどちらがバッカルを後出しするかというバッカルメンコチキンレースが始まる。 バニーガール武装 卯年の2023 1/1に実装された武装。網タイツとスーツの質感が艶かしさを醸し出している。 バニートレーはクリティカルとブーストゲージの回復が秀でた投擲武器、マスクステータスは優秀だが、遅い弾速と短めの射程、適正神姫の数に難があるカテゴリである為、人は選ぶか。 防具はヘッドのバニー耳、ボディ・レッグ・アームの一式のスーツ、リアのしっぽの三ヶ所で構成されている。 性能的は若干ダッシュスピードが早く、かつCHAが高めなのでスキルを用いた運用では非常に心強い。但し、若干ジェム攻撃力は下がってしまうので一式で運用する際は注意が必要。とはいえ総合的に見てもとてもバランスがよいので武器と比べるとかなり実用性が高い。 レイドボスバトル(第八回)では、レイドボスのバニーミラージュから赤いバニー耳とスーツ、金色のバニートレー(と、ついでに通常版と同じ仕様の尻尾)を手に入れる事が出来る。 バリステ、バリブレ アーティルの攻撃リア装備、バリスティックブレイズ[RW]の事。人によって略称のブレはあるが同義。 コンボ前提になるが発射数2発×2の高速でそこそこ威力の高いホーミングミサイルを放てるので、レイドボスバトルにおいてはWAVE1~2の雑魚散らしに甚だ有効。アセンさえしっかりしていればボスにも有効打を与えられる。 そうした事から(発射軌道の癖の強さと度重なる(レイドでの)ナーフにもかかわらず)、今でも愛用しているマスターは多い。 勿論ジェムバトルでも厄介で、中距離で足を止めようものならミサイルの雨が降ってくるので中々曲者。誘導の限界で近距離は安置なので、遠距離+このRW持ちと対峙した場合さっさと距離を詰めよう。 バレンタイン武装(2021) 2021年バレンタイン期間限定武装。 「バレンタインツインドリル」「バレンタインスーツ」「バレンタインパフスリーブ」「バレンタインシューズ」「チョコペン銃(両手ライトガン)」。 スキルゲージが溜まりやすくなったりジェム回収の展開速度が上がる等、マスクステータス面は優秀なものの稼動初期のイベント武装だけに目に見える数値面では控えめなスペックで、後から出てきたホワイトデー武装の陰に隠れてしまったが、2022年期間限定復刻時以降は対バグ補正が追加されている模様。 …だったのだが、どういう訳かレイドボスバトル(第六回)においては、他のイベント武装にプラス補正が付いたのとは対照的に下方されてしまった(これはバレンタインクラシックも同様。他に下方されたのは15th装備のアーンヴァル側くらい)。 バレンタイン武装(2022) 正式名称「バレンタインクラシック武装」。 2022年バレンタイン期間限定武装で「バレンタインキャンディツイン」「バレンタインクラシックスーツ」「バレンタインクラシックパフスリーブ」「バレンタインクラシックスカート+バレンタインクラシックシューズ」「バレンタインクラシックシューズ」からなる。 チョコレート色の、ウェイトレス服かメイド服を思わせるロングスカートが中心となるコーディネート。ダッシュスピードが若干速くなり、スキルチャージ・ジェム回収展開速度が上がる。対バグ補正を持つと明言されている……が、第六回では削除された。 頭と足の装備で発動できるスキル「私のチョコだけ受け取って!」は、自分以外のダッシュ・ジャンプ速度を大きく下げることができる。 周りのステータスを下げてこちらが追いやすい/逃げやすい状況を作るという点では「攻撃スピードダウン」に近い性能を持つが、発動モーションがある代わりに素の機動力で劣る相手への追いつきやすさはこちらの方に分がある。 武器はないが、前年度及び復刻のチョコペン銃が適切か。 なお、スカート+シューズ武装とシューズ武装は排他関係にある。RW装備を重視したい場合は後者で。 余談だがバレンタインシリーズのシューズで唯一クラシックのみガーターにナイフ(護身用?)が仕込んである。スカート付きだと分かりづらいがシューズ単品だと一目瞭然。セクハラが過ぎると投擲される…かも? バレンタイン武装(2023) 2023年バレンタイン期間限定武装。 「ビターパンクハートヘア」「ビターパンクハートヘア・オリジナル」「ビターパンクスーツ」「ビターパンクアーム」「ビターパンクブーツ」「ビターパンクスカート」。 どちらかといえばガーリー寄りの可愛さが追求されてきたバレンタイン武装シリーズだったが、今回はデザイン面でパンクな方向へとシフトしている。 性能は他神姫撃破時のオートジェム回収機能がある事をはじめジェムバトル寄りだが、スカートの半分がレザーバンド仕立てとなっているため“見える”のが最大のポイント。 ジェムバトルに持ち込むなら高火力射撃と相性が良いかもしれない。 なお実装当初武器は含まれていなかったが、ホワイトデー武装(2023)の実装時にこの武装と適合する色のネジバットが改めて実装されている。 ハロウィン武装(2021) ハロウィンイベント(2021年10月11日10 00~同11月1日10 00)限定配布武装。 マジカル★パンプキンヘッド3種類(Pink、Blue、Green)からなり、いずれも有用なアクティブスキルを持っている。こちらも参照。 某閃光のハサウェイの余韻冷めやらぬ時期に実装されたため、そちらにちなんで偽マフティー呼ばわりされることも。 ハロウィン武装(2022) 2022年のハロウィン(10月31日10 00 ~2022年11月21日9:59)限定配布武装。「まじょっこ」衣装はLP及びDEX高め、状態異常補正に微量のブースト回復と、全体的に耐久に振った性能。 武器は3発誘導弾を放ち、ダメージ系アクティブスキル付きの片手ライトガン「キャンドルロッド」。こちらもホワイトデー(2022)武装と同様、「ハロウィン武装に武器が存在しない問題」を解決している。 更に死神の鎌や前年のマジカル★パンプキンヘッド各色を持っていれば、それらしいコーデで楽しめる事だろう。 偶然なのかもしれないがこの時期に注目を浴びたアニメは昨年の偽マフティーと同じあのロボットアニメシリーズかつ名前は「水星の魔女」である。 ハロウィン武装(2023) 2023年のハロウィン(10月16日10 00~11月6日10 00)限定配布武装。前年の「まじょっこ」衣装のカラーバリエーションでDEFとCHAに振ったピンク、DEXに振ったブルー、ATKと近接耐性に振ったグリーンの三色。 武器はそれぞれの色の「パンプキンハンマー(両手打撃武器)」。 時を同じくして前年及び前々年のハロウィン武装も復刻されているので、全部集めるのはとても大変。 環境では「まじょっこ」ブルーの低レアが、ジェム自動会収能力の高さから大暴れしている。 武装貴族 ぶそうきぞく。e-passカードを作る時に設定する事が出来るが、どういった人々なのだろうか? 謎は尽きない……。 武装淑女 ぶそうしゅくじょ。武装神姫の女性マスターの通称。 これも、e-passカードを作る時に設定する事が出来る。 武装紳士 ぶそうしんし。武装神姫の男性マスターの通称で、一番良く知られる。 勿論これも、e-passカードを作る時設定する事が出来る。 ただ、ここで勘違いしてはならない点は、武装紳士といっても必ずしもその全てが「紳士」であるとは限らないという事。 本来はあってはならない事のはずだが、武装神姫界隈にも「紳士」の風上にも置けないような振る舞いをする者は数多い。派閥作りからの神姫関連商品の買い占めや転売行為、揚げ足の取り合いや蹴落としあい、誹謗中傷などがこれにあたる。 そして対戦ゲームである以上、残念ながら本作のマスター層もこうした悪しき風潮と、決して無縁とは言えないのだ… だからこそ「紳士」とは自ら名乗るのではなく、その品格を持って人から呼ばれて初めて得られる称号なのだという事を心に刻みたい。 その意味で、アニメ版の理人さんは立派な武装紳士といえよう。 ヘイト管理 現在のジェム数・スキル・次の神姫から、自分がどれほど狙われやすいかを把握し、ジェム回収量や相手との距離を調整すること。 基本的に、終盤順位が高いプレイヤーやガンガン攻撃するプレイヤー、戦場に近いプレイヤー、強力なスキルを持っているプレイヤーが、よく狙われる傾向にある。 最終的にアクティブスキルで逆転したい場合は、こちらのスキルで逆転可能な範囲のジェム数差で2位以下に付くようにすると、ヘイトを抑えて上手く逆転する準備ができる。 自分の編成では倒しにくい神姫がいる場合、そちらに高い順位を取ってもらって他のプレイヤーに倒してもらう……という風に応用することも出来る。 また敢えて棒立ち無抵抗になるなどでヘイトを高め、順番調整を試みる場合もある。 ホワイトデー武装(2021) 2021年ホワイトデー期間限定武装(2022年にも期間限定で復刻)。別名「バレンタイン武装リペイントVer」。 その名の通りバレンタイン武装のカラーバリエーションでブルーとグリーンの2種類が存在するが、数値上の性能的にはオリジナルを総じて上回る。 但し、マスクステータスでは青はスキルゲージの溜まりアップが削除、緑は若干とはいえジェム回収展開速度が下がるペナルティが付与されてる為一長一短か。 対バグ補正についてはバレンタイン装備同様付与されている。 ホワイトデー武装(2022) 2022年ホワイトデー期間限定武装。基本的にはバレンタインクラシック武装のリペイント版(青・緑)だが、髪飾り「ホワイトデードーナツツイン」にはピンクカラーが追加されて3種類になっている(キャンディツインまたはツインドリルと、どれを選ぶかはお好みで)。 頭と足の装備で使えるアクティブスキル「お返しは私だけ!」は、「私のチョコだけ受け取って!」のデバフ効果をターゲットしている神姫にのみ掛かるようにしたもの。 特定の一人を全員で倒さないといけない局面なら、ターゲット以外の神姫の機動力はそのままなのでより強い効果を発揮できるだろう。 一方自分が逃げ切る局面だと一人にしか効果を及ぼせない+発動モーションがあるのでイマイチ。攻めきるためのスキルと割り切ろう。 また、「キャンディハンマー(両手打撃武器)」が武器として追加された。こちらにも青・緑の他ピンクが追加されており、バレンタインクラシック武装の「武器が存在しない」という問題を補完している。こちらのアクティブスキルは全方位攻撃。 ホワイトデー武装(2023) 2023年ホワイトデー期間限定武装。 基本的にはバレンタイン武装(2023)のリペイント版(青・緑)で、ジェムバトル寄りの性能も“見える”事もそのまま。名前は原典の「ビター」を「スイート」に変更している。 ただし、こちらは撃破時ではなく攻撃命中時に自動回収(青・緑共通)である為、より汎用性が高い。この効果は複数箇所装備すればより高くなるが、この武装シリーズ自体ジェム攻撃力に少しマイナス補正があるので、装備しすぎると却ってジェムが取れなくなるという罠がある。 よって、一式装備せずに1~2箇所くらいで抑えるといいかもしれない。 更に、釘ならぬ「ネジバット」が武器として追加。こちらはジェム自動回収能力はないものの、レアリティごとに色が異なる変則的バリエーションモデルとなっており、バレンタイン武装(2023)のカラーも含まれている。 ま [部分編集] 捲り ジェムバトルの勝ち方のうち、逆転されないようなタイミングに(特に攻撃・強化スキルで)ジェム数を変動させ、そのままゲーム終了を迎えるものの総称。 この勝ち方をしたいのなら、最後の神姫出撃時間〜スキルを使うギリギリの時間まで、自分チームは2位以下かつスキル1発で1位を追い越せるようなジェム数になるようジェム回収量を調整しよう。 まこしら ミズキの片手斬撃武器「忍刃刀"風花"(金)」とレッグ「忍脚絆"白鳳"」を装備することで発動できるアクティブスキル、「秘剣・真白拍子」のこと。 攻撃内容は目の前を一段攻撃で斬りつけるシンプルなもの。威力もかなり低いのだが、最大の特徴は恐ろしく早い発生。 スキル発動の表示が出るか出ないかのタイミングで判定が出るため、基本見てからだと対処が間に合わない。この特性から、特に初見殺しとして強く働く。 判定自体も横方向には神姫2〜3体分ほどあるので、格闘戦中の他プレイヤーをまとめて巻き込むことも出来る。 欠点は突進距離の短さと威力の低さ、また武器自体のスキル回収率の低さ。神姫1〜2人分しか踏み込まないので、近寄らないと打ちにくい。また威力が低いので、相手を撃破して撃破時の放出ジェムを回収しないと一発辺り4〜500ジェムしか稼げないこともザラ。装備と出撃順を工夫しないと低レアリティならろくに打てないこともある。 対策としては、まこしらを持っているプレイヤーがいるときはあまり密集しない(ジェムを一人占めしやすい状況を作らない)、打つことを読んで事前にガードしておく、体力に余裕のある状況で詰めてまこしらを吐かせる、まこしらで誰かが撃破される状況を作らないなどがある。 ちなみに「武装神姫BATTLE RONDO」では、長めの貯めの後踏み込み3回斬りつけるというアクションだった。 ちなみに上の記述は2回下方修正がなされたあとの話。元々は攻撃力も高く、武器のスキル回収率も高かった。 2022/08/03に3度目の下方修正をされた。巻き込みの範囲が狭くなり、攻撃力と武器自体のジェム攻撃力が低下。一人に当てただけだと150ジェム程度しか回収できなくなり、また慣性移動で飛び込んでスキルを当てることが難しくなった。 水着シリーズ グリアロ・シリーズから派生した、どこからどう見ても水着。 2020年夏実装の「悪魔の黒ビキニ」「天使の白ビキニ」に始まり、2021年夏には「キューティドットフリルビキニ」「キューティフリルビキニ」「スポーティストライプビキニ」「スポーティビキニ」「セクシークロスワンピース」「プリティフリルワンピース」、更にアニメ版から主役級神姫4人が着た水着がそれぞれ実装された。アームとレッグは同時期に実装されたネイキッドが良く似合う。レッグはグリムアロエの靴も良いだろう。 特筆すべきは、アニメ版"ヒナの水着"の派生版である「○○の水着」。なんとニックネーム(デフォルトなら神姫名)が胸に印字される紳士仕様。更にbodyサイズも反映される(オリジナルはヒナのbodyサイズ準拠) なお、日焼け肌になれるビキニ3種はミラージュ武装にあたる。 ミラージュ武装 レイドボスバトルにおいて、ミラージュ・シリーズを撃破するとドロップする武装の事。いずれも強力だが癖が強い。 公式曰く「ミラージュではないので本来の力は発揮出来ない(要約)」と公言されている。 + ジャンルとしてかなり巨大化したため、ここに折り畳む。 レイドボスバトル(第三回)にて2022/3/9より武器のみ実装されたのが最初。[W(ホワイト)]と[B(ブラック)]の二色で各色のミラージュを撃破すると対応した色の武装をドロップする。始めから出しとけよというツッコミは野暮か… リューベック・シュタインは一見太い槍に見えそうだがこん棒(両手打撃武器)である。こちらはアクティブスキルが[B]で両手打撃で唯一攻撃スピードアップが使える位で、大して特別感もなくごくごく普通で全方位攻撃が使えるキャンディハンマーの方が個性が立っている…と思われていたのだが、 お散歩モード実装による研究において白の場合NとR、黒の場合SRとURが見た目に反して叩きつけにインチキめいた広い横方向への攻撃判定が存在している事が判明。 ジェムバトルやレイドのWAVE1〜2では思わぬ巻き込みを狙えるポテンシャル自体はある様だ。 注目すべきはFB256 1.2mm滑腔砲二挺。元々は腰持ちヘビーガンである物を二挺持ちするという見た目のインパクトも凄いがなんとこの武装、[W]は元武装に同じく爆風が付き、[B]はボレアスよろしくレーザーが放てる。威力は流石に双ライトガン相応に抑えられているがどちらも元々は隙の大きい武装なので、それを双ライトガンのモーションで撃てるのは唯一無二であり、射程もボーンスナイパーライフル程度あるので、活かせれば強い。 但し、装弾数が4しかないのとリロードが他双ライトガンより若干遅いので注意。 第四回ではホワイトミラージュに代わって登場したナイトミラージュから「バルムンク(夜)」「ケイローン(夜)」のどちらかがドロップ(特に後者は本来プロキシマの装備であるため、彼女の参戦フラグとも推察されるが…)。 更に2022/06/08のアプデで「ナイトマント」が追加された。 ちなみにブラックミラージュは引き続き登場するため、第三回での“入手激渋問題”は解消されている。 第五回では新たに登場したサマーミラージュから、多彩な武装がドロップするようになっている。必見はピンク・青・緑と3種ある水着で、装備すると日焼け肌になるおまけ付き。 しかし、そもそもこのサマーミラージュ自体が前回のナイトミラージュ同様レア枠な上、全体的にコンテナの出現率が渋くなったため、装備集めがより苦行となってしまった(通常枠になったナイトミラージュのドロップが楽になったのは、せめてもの幸いか)。 第六回では実装当初はホワイト&ブラックミラージュ、アプデ後はサマーミラージュの装備を入手できるようになったが、他のレイドボスとの兼ね合い上出現率がどうしても低くなるため、特にサマーミラージュのドロップ品集めについては相変わらず苦行のままである。 第七回では新たにオータムミラージュが登場。これまた体操服装備をはじめ多彩な装備をドロップするので全部網羅するのは大変。 更にサマーミラージュがレア枠で続投となったはいいものの、こちらも相変わらずの苦行っぷりだったりする。 第八回に登場したバニーミラージュは、2023年正月のバニー武装のカラバリをドロップする(バニーガール武装を参照)。このミラージュ自体かなり煩わしい相手であり、苦行ぶりも健在。 第九回に登場したフレッシュミラージュは、春めいたワンピースとパラソルを中心にした武装を落とす。こちらも最初からなかなかの苦行ぶりだったが、2023/06/12のアプデで更にPink Ver.が追加されて苦行ぶりに拍車が掛かっている。 なお、ミラージュではないが第十回(復刻)に登場した大型バグ・オメガは、フレッシュ装備のYellow(前半)及びBlue Ver.(後半)を落とすが、もう一方のボスである闇神姫ばかりが出るような事もあったりするので、集めるのはやっぱり大変。 愛で専 公式による特定のプレーヤー層への呼称。字面から(神姫を)愛でる専門のマスター達と推測される。 武装変更によるコスチュームの着せ替えを楽しんだり、神姫ハウスでセクハラコミュニケーションを楽しんだり。フォト機能でお気に入りのショットを撮ったり…と、何もバトルで勝つばかりが全てではない。 神姫を扱うゲームの性質上、こういう楽しみ方もあるのである。 や [部分編集] 浴衣アーマー 2022年夏季限定武装。全身装備の「ゆかたアーマー」4種(爽・涼・葵・雅)と対応するヘッド装備「髪飾り」、片手斬撃武器「バトコンうちわ」3色からなる。 モーションにより浴衣の柄が著しく伸びる事もあるが、気にしてはいけない。 ちなみに「ゆかたアーマー」各種は、嘗てワンダーフェスティバル2010[冬]の折、実神姫用として公式販売されたもの(うちわと下駄も付属するが、塗装などの作業が必須となる。今ならバトコンうちわを作れるかも!?)。 横吸い 他のプレイヤー同士が争っている所に向けてジェム回収を行い、被弾・被撃破で放出されたジェムを他のプレイヤーに回収される前に回収する技術・戦術。 この戦術の強いところは、他プレイヤーに攻撃のリスクを一方的に背負わせて、自分はジェムを回収し勝ちに近づくことが出来る点。 CPU相手にこの戦術を取ってみると分かりやすい。他CPUの被撃破表示がどんどん出るにもかかわらず、自分の神姫はノーダメージで首位になることが出来る。 近接武器でも横吸いは出来るが、ある程度近づく必要があるため被弾リスクの軽減幅が小さい。一方、回収範囲が円形のため、近距離で横吸いした際のジェム回収量は射撃と比べてかなり大きい。 射撃武器は距離をおいてジェムを回収することが出来るため、こちらが攻められても時間を稼ぎやすい。しかし回収範囲が扇形のため、横吸いで回収できる量に関しては近接に劣りがち。 横吸い自体はどんな武器・編成でも行えるが、横吸いに特化した編成にすることも出来る。そうした場合の難点は、直接戦闘力に欠けるため徹底してロックオンされるか、それでなくても他プレイヤーに戦闘を控えられるとジェム回収能力が大きく落ちるところ。 N×3の編成は横吸いに重点を置いている可能性が高いので、相手取る時はある程度意識しておこう。 ら [部分編集] 零神 本来は「れいじん」と読む。しかし実装当時からプレイヤー間では「ぜろしん」と読ばれ、運営も「れいしん」と言ったりと、中々本来の名前で呼んでもらえない。 スカイガールズとのコラボイベント(2021.2/1~2021.3/31)中に配布された武器。 その実態はかなり特殊で、装備するとヘッドパーツから武器まで全て専用の武装に置き換わるというもの。これを装備中に他の武装を装備することはできないと、実装から現在までここまで大掛かりな武装はステクロ武装程度。 かなり特殊な武装が、近接タイプと遠距離タイプの二種類同時実装されたが、めでたくそのどちらも実装初日から環境トップを飾ったが、その後のひと騒動を経て現在はすっかり影が薄くなっている。 + その経緯はこちら まず零神本体の性能だが、まず圧倒的ダッシュスピードが挙げられる。空中を飛べば他の飛行リアの二倍近いスピードを叩き出す。現在はこれと同等かそれ以上のスピードは念入りに準備すれば出せるが、稼動して二ヶ月ちょっとのゲームバランスでこのスピードを武器一つ装備するだけで出せるんだから当然零神以外置いてけぼりになった。 機動力以外のステータスも優秀で、今でこそインフレによって相対的に平均クラスに落ちてしまったが、実装当時は(以下略) 肝心の武器も優秀で、まず近接タイプのMVソードだが、カテゴリ中当時最高クラスの性能を見たまんまの当たり判定で、超機動力で振り回しに来るのだから当然逃げ切れないし他の近接武器全てをお蔵行きにした。 ただ武器以外の性能は遠距離版と全く同じなので、ゲームシステム上遠距離版に全く対抗できなかったが、零神以外の遠距離武器には問題なかった。 そして遠距離タイプのアンチマテリアルライフルだがこれもご丁寧にカテゴリ中当時最高クラスの弾を、当時最長射程で、両手ライトガンの感覚で撃ってくるのだからそりゃ(略) しかも低いレアリティ程コスパが良い調整をされている&NNN編成がまだ強かった次代なので、倒してもたいして美味しくないとそりゃ(ry マスクステータスにマイナスがほぼなく、そのマイナスも被弾した際に出るジェムの量がかなり多いというもの。当たらなければどうということは無いができる零神にはあってないような調整で、当時は「零神に対抗できるのは零神のみ」とも大真面目に言われるほど。 さらに他の部位を内包してるシステム&武器カテゴリーなので、これ一つ強化すれば全部位強化されるというお財布にも優しい仕様(この仕様自体は現在も変わらずある)。 そんな実態なのでみんなこぞってプレイするが、これがまたイベント特有の超低ドロップ率かつ理論上レア度Nのアンチマテリアルライフル一択なので、当然入手できなかった大多数の人が零神に狩られる状況がしばらく続くことになり、持ってない→入手しに行く→零神に狩られる→低順位で報酬が少なく零神が手に入りにくいと負の連鎖。 「持って居なければ試合にすらならない」と大荒れ。 そんな中運営が「最強武装なので是非手に入れよう!」とtwitterで宣伝するもんだから軽い炎上騒動に。 それもあってか、まさかのイベント期間中に下方修正という自体に。火力面が大幅に下方されたので、せっかく手に入ってもただ速くて強化が楽なだけの武装と化してしまう。 さらにゲームのインフレや全体調整によるマスクステータスなどもあってより一層出番が無くなってしまい、過去の栄光も何処吹く風となってしまった。 ロケテストバージョン神姫カード 本稼動前に全国各地で開催されたロケテストにて「お迎え」する事が出来た神姫カード。 エーデルワイスを除く初期実装組の各レアリティが存在。枠のデザインはJAEPO限定プロモーションカードと同じで、イラストは現バージョンと微妙に異なる者がいる。 当然ながらこれも試作仕様のため、本稼動バージョンの筐体で使用する事は出来ない。 ちなみにお迎え1枚の時は無料だった。ぶっちゃけこの仕様で良かったんでね?という声も… わ [部分編集] 英 [部分編集] AUTO COMに操作を任せるモードのこと。公式では「俺と神姫で戦うボタン」の略とされているどこが略なんだか。 バトル中いつでも画面左下から切り替え可能。 COMは基本的にNPCと同じ判断基準で動くが、ターゲットの指定、及びジェム回収はこちらから指示が可能。 神姫の種別ごとに大まかなAIの傾向が設定されており、ある程度の調整も可能である(詳細は戦術・テクニックの「AUTOボタンを活用してみる」の項にて)。 BAN 英単語としては「禁止」を意味する単語 ゲーム的には垢BAN、つまりゲームアカウントの停止として使われる事が多い。 同KONAMIのボンバーガールにおいてはゲーム内にも通報機能があり定期的に迷惑行為を行うユーザーへの警告、もしくは利用停止処分が行われた事を告知している。 本作においてはそういった処置を行った事が告知された事はない…が現在サブモニターには表示されていないものの規約文が存在していた事はあり迷惑行為は禁止されている為いずれこういった処置が行われる事があるかもしれない。 EXUR 限定プロモーションカード=EXUR。 性能としてはURと同等。ただし武装は当初から設定・固定されており、変更出来ない。 JAEPO限定プロモーションカード 2020年2月、JAEPOで配布された限定プロモーションカード。 すべてURでアーンヴァルMk.2、ストラーフMk.2、隠し要素でシュメッターリングの合計2+1種類が存在。 当然ながら試作仕様のため、本稼動バージョンの筐体で使用する事は出来ない。 LP 神姫の「体力」のこと(Life Pointの略?)。 数 1V 個体値1個付きカードのこと。 2V 個体値2個付きカードのこと。 5V 個体値5個付きカードのこと。ちなみに3Vとか4Vというのはない。 6V 個体値5個付きカードに稀に現れる、武装Costが+10されたカードのこと。 5Vと6Vは、表だけ見るならまったく同じに見える。識別するには、カードの裏面を確認する必要がある。 15th武器 武装神姫15周年記念として頒布されたアーンヴァル及びストラーフ用装備の専用カラーバリエーション。 2021年9月7日10 00~同12月24日09 59限定配布武装。 期間がそこそこ長かった事や、同時期に開催されていたレイドボスバトル(第二回)においては対バグ特効を持っていたためもあって、使用するマスターはそこそこ多かった。 レイドボスバトル(第六回)では何故かストラーフ側は特効付与され、アーンヴァル側は逆に下方されている。 その後目立った話は出ていなかったが、レイドボスバトル(第十回)では久々に闇神姫と雑魚バグ各種が(エラーと言う体ではあるが)復刻され、ほぼ時を同じくして復刻されたこちらの武装が再び脚光を浴びている。 [部分編集] は行以前はこちら>用語集 (あ~な)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2233.html
「先輩!イルカがこっちを向きましたよ」 「おー、かわいいなぁ。しってたか?イルカは睡眠をとるときに脳を半分ずつ寝かせているんだ」 「そうなんですか?理系としては興味深いですね」 「そのあたりは俺はサッパリだけどな・・・」 「・・・・・あ、次のショーが始まりますよ」 気まずくなって話題をそらす由佳里、その心遣いが優一には痛かった。 電車で小一時間ほどの距離にある水族館、その一角の一番広いスペースを占める大型プールで行われている、イルカのショーを二人は見物していた。 すると突然、イルカの一頭が大ジャンプして着水、大量の水飛沫が二人に降りかかる。 「のわっ!?」 「きゃぁ!!」 「はっちゃー、ビショ濡れだな。大丈夫か?」 「どうにか・・・」 優一は暗い色の服装のためか頭が濡れた以外目立った被害は無いが、由佳里の方は白いブラウス越しに下着が透けてしまっていた。 「・・・・とりあえずこれ、羽織っとくといいよ」 「はい・・・」 そう言って彼は紅くなりながら自分の半袖ジャケットを由佳里に手渡した。 -- 「フンガー!!!」 「お姉様落ち着いてください!」 「駄目だコリャ」 反対側の座席の一角、優一らが座っているちょうど反対側に八雲達がいた。 「だって、今もの凄く良い雰囲気だったでしょう!?」 「だから落ち着いてくださいって!」 怒りやら嫉妬やら負の感情で、アカツキは完全に我を失っていた。 「とにかく、見つかったら面倒だから、二人とも静かにしてくれよ・・・」 「『女の嫉妬は地獄の業火』、って言うでしょ。諦めなさいな」 頭を抱える八雲に追い打ちをかけるミコト。シラヌイは彼の気持ちが何となく判る気がした。 お天道様が南のど真ん中を通過する頃、イルカショーを見終えた二人は外のベンチで休憩を取っていた。 「えっと・・・・・・由佳里、今何時だ?腹減っちまった・・・」 「丁度十二時半ですね。実はお弁当、作って来たんですよ。先輩もどうですか?」 そう言うと由佳里は自分のバッグからゆうに五人分は有りそうな重箱を取り出したが、空腹感が既にピーク(優一の体はトコトン燃費が悪い)に達していた優一からしてみれば好都合だった。 「いよっしゃ。戴くとするかな」 「あhfhrkfじゃいおええかm!!」 「だから!いい加減にしてください!!」 一方、100メートルほど離れた植え込みの影では段々と手に負えなくなってきたアカツキをシラヌイが必死に止めようとしていた。 「手作り弁当とは・・・・やるな・・・・」 「同感」 「まさか、まさかまさかまさか、『君も食べちゃいたいよ』みたいな展開に・・・」 「「なるわけあるか!!」」 二人に気づかれない最大限の音量で突っ込むミコトとシラヌイ。いつもの敬語は何処へやら・・・。 「はふぁー」 ため息をつく八雲、辟易するのも無理は無いだろう。元来彼は他人の行動や言動を疑うことがない。よく言えば正直者、悪く言えば早とちり仕勝ちな人物だからだ。 「兎に角、二人とも後で黒崎に謝っとけよ」 気を取り直して八雲はアカツキとシラヌイに忠告すると、シラヌイは沈黙を持って了解としたが、アカツキから拒否の言葉が飛び出した。 「・・・・・・・・」 「嫌です!」 「へっ?」 「だって、私たちに相談せずに勝手に由佳里さんと出かけちゃったんですよ!後を付けない理由はありません!」 『私があの時シラを切っていればこんな事には・・・!』 内心、「しまった」と思うシラヌイ。自分の所為で優一に怪我をさせてしまったことに。 「兎にも角にも、ランチが済んだら・・・。否!今すぐにでも突撃です!!」 「あ、ちょっと!お姉様!!」 時既に遅し。どこにしまっていたのか、完全武装でアカツキは二人の元へ突貫していた。 「うん?ってえぇえ!?アカツキ!?なんでここに!?」 「マスタァアア!!覚悟ーーーー!!!」 「待て!!話せば判る!!」 「問答無用!!話す必要はありません!!!」 まるで何時ぞやに起きたクーデターを彷彿とさせるやり取りを交わしながら、数分ほど、一人と一体の一方的なドッグファイトが続いた。 ドッグファイトが終わって、悠一は肩で息をしながらアカツキ達に説明していた。 「ぜぇはっ、ぜぇはっ。だから、由佳里に誘われたって、言ってンだろ・・・!」 「だからと言って、隠し事をしていたことには変わらないじゃないですか!」 「あの・・・ごめんなさい、アカツキちゃん。私が、先輩を誘わなければ・・・・」 「そんな!由佳里さんが謝る事じゃ・・・。それに、悪いのはそれに鼻を伸ばして乗っかったマスターの方ですよ」 「だから、黙っていたのは悪かったって言ってるだろうが・・・」 「まあ、その位で良いんじゃないかな?彼にも事情が有ったって事で」 優一は内心「有り難い」と思ってしまった。八雲が間に入らなければ、延々と続いたであろう循環を止めてくれたことに。 「それはともかくとしておいて、久しぶりだな御名上。三年ぶりか?」 「ああ、二日前イギリスからね。本物のタワーブリッジはデカかった・・・」 「ミコトも連れているってことは・・・」 「そう!向こうでも、いや向こうだけでなく世界中で武装神姫は大人気さ!良い修行になったよ。・・・・・ヨーロッパチャンピオンには返り討ちにされたけど・・・」 「あれは別格だろ・・・。ともかく、今度一戦どうだ?留学に出るときは全然だったお前の腕前、どの程度か見たくなった」 「良いねぇ、それ。じゃあ、都合が付いたらすぐにでも連絡するよ」 「あいよ、またな。さてと、俺らも帰るとするかな?」 「マスター、まだ話は終わっていませんよ?」 「そ、そうだったな。はは・・・ははははは」 その後、優一が家路につくのは日も暮れかける時刻だったそうな。 その日の夜、優一達が寝静まった頃合いを見計らって、一つの影がムックリと起き上がると窓を開け、夜空へと飛び立って行った・・・。 第壱拾七話へ続く とっぷに戻る